CX対策実装前の定量調査が鍵 データを施策まで落とし込む
近年、日本でもCXが重要視されるようになり、企業でも「CX」を冠する部署名が増えている。しかし、実態は個々の苦情対応が中心で、現場では組織的にどこから着手すればよいのか優先順位がわかっていないのが現状のようだ。
日経リサーチは長年、CS調査やNPS調査に携わる中で、上記のような問題に向き合う必要性を感じるようになった。そこで、米CCMC社が開発した「CX3.0Ⓡ」を日本でコンサルティング提供するラーニングイット社と提携。顧客接点と課題を洗い出し、徹底した顧客調査の結果を基にCXを見える化して企業のCX戦略をサポートする「CX3.0Ⓡ調査活用プログラム」の提供を開始した。
ポイントは2つで、ひとつは顧客の声や社内の様々な内部データだけではなく、能動的な調査によって、顕在化していない不満も含めて俯瞰的にCXを見える化すること。もうひとつはこのプログラムが経営に与えるインパクトを数値で示すことだ。
同プログラムは「お客さまの期待を裏切る体験(=痛点)」にフォーカス。ラーニングイット代表取締役の畑中伸介氏は「苦情を言う人はごく一部で、多くの顧客は不満があってもわざわざ言ってはくれないため、苦情分析だけでは不十分」と話す。
日経リサーチの市嶋信子氏は「CX向上の施策は様々だが、施策前に調査をして顧客を理解し、どこに手を打つべきかを見極めることが重要。特に痛点は隠れていることが多いので調査は欠かせない。両社のノウハウを組み合わせ、調査から分析、具体的な施策化までを提供している。調査結果に基づくことで、最も効果的な施策化につながる」という。
さらに畑中氏は「実際の導入事例では、顧客の期待を上回る感動体験を提供した場合、ロイヤルティの上昇は10%ほどだったが、先回りして顧客の痛点を回避した方が離反も防ぐことができたうえ、ロイヤルティも30%上がった。どの部分に顧客の痛点があるかは調査をしてみないとわからない。
しかし、痛点がわかればどの業務プロセスを改善すればよいかがわかり、売上を伸ばすだけでなく顧客の離反や解約も防げる。そのため経営層は、各部門が横断的に顧客理解をするように促す必要がある」と語っている。
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