「都道府県・魅力度ランキング」などを実施しているブランド総合研究所は3月25日、企業のSDGsに関する取り組みを消費者視点で評価する「企業版SDGs調査2020」の結果を発表。最も高く評価された企業はトヨタ自動車となった。2位以下にはアサヒビール、旭化成、サントリー、パナソニックが続いた。2019年9月に地域版のSDGs調査を発表したが、企業版は今回が初の実施となる。
本調査の対象は、研究所が独自に選んだ売上規模の大きい企業およびSDGsへの取り組みが盛んな企業210社。調査は2020年3月5日~11日にかけてインターネットで実施し、一般消費者、ビジネスパーソン、投資家など1万500人から回答を得た。
調査項目は、各社のSDGsへの取り組みの評価(5段階)やESG活動への評価(環境、地域、CSRなど20項目のうち、あてはまるものを複数選択)など。元々回答者のSDGsへの認知度は23.9%と低かったが、SDGsの意味を説明したうえで回答させたという。
トヨタ自動車は、SDGsへの取り組みの評価で「SDGsに本格的に取り組んでいる」が10.3%、「少し取り組んでいる」が16.7%。加重平均をとった「SDGs取り組み指数」は18.6ポイントで1位となった。同社はESG活動でも総合評価で1位、分野別に見ても社会貢献(CSR)・科学技術・世界平和・法令順守の4つの分野で1位だった。
同社代表取締役の田中章雄氏は、そもそも消費者の中でSDGsの認知度が低いため「SDGsへの取り組みの評価」の数値が低く出た、と分析する。「わからない」という回答も目立ったという。一方で、ESG活動は具体的な20項目から選択する形だったため、より多くの評価につながった。
田中氏によると、SDGsに関する取り組みを企業ブランディングにつなげるためには、消費者が理解しやすい言葉や概念を提示する必要がある。「例えば、4位のサントリーは理念である『水と生きる』を前面に押し出した広報・宣伝活動をしています。明確で分かりやすい発信をしているので、消費者の印象にも残りやすいのでしょう」と解説した。
「企業版SDGs調査」は今後も年に1度のペースで続けていく予定だという。
<「市版SDGs調査2020」調査概要>
調査方法:インターネット調査
調査対象:業界ごとに売上規模の大きい企業およびSDGsへの取り組みが盛んな企業を中心に、ブランド総合研究所が独自に210社を選定
回答者:登録調査モニター(20歳以上)から、年代、性別を均等に回収
回収数:1万500人(各企業500人)
有効回答数:9561人(不完全回答および信頼性を欠く回答を除いた)
調査時期:2020年3月5日~11日