新入社員はもちろん、新しい部署に異動した方も同じ部署に残った方も、皆さんそれぞれに、自分のキャリアプランや“なりたい姿”を考える時期でもあるのではないでしょうか。
その姿が明確であっても、漠然としていても、いきなりその姿になることは難しいもの。なりたい姿になるためのプラン、目標を実現するために、具体的に何を行うのかを描く必要があります。
『予定通り進まないプロジェクトの進め方』、『見通し不安なプロジェクトの切り拓き方』(宣伝会議)の著者である前田考歩さんは、「プロジェクト譜(プ譜)」というプロジェクトの進め方を構造化・可視化した独自のフレームワークにより、これまで数多くのプロジェクト推進に携わってきました。
これまでは、プロジェクトを実現するためにプロジェクトメンバー間で認識を統一や、進行を管理するためのものとして「プ譜」を使用する事例が多かったのですが、今回は目線を少し変えて、「プ譜」を自身が“なりたい姿”を見つめなおし、整理するための自己実現ツールとして活用した好例を紹介します。株式会社ベンチマークジャパンで若手メールマーケティングアドバイザーとして活躍する山本美智さんにお話しを聞きました。
プロジェクト譜(プ譜)についてのさらに詳しい説明はこちら
自分の望む未来像に対して、今の仕事をどのように位置づけるか
前田:山本さんは2019年の7月から、プ譜を使ったプロジェクトの進行管理を行っているとのことですが、まずは山本さんのお仕事について簡単にお伺いできますか?
山本:「Benchmark Email」というHTMLメール配信システムのカスタマーサクセスを担当しています。現在入社2年目で、主に国内のお客様のサービス導入支援やヒアリングに携わっています。
前田:今回、山本さんにお話をうかがいたいと思ったのは、これまで「与えられた仕事をどのように進めていくか?」を考えるためにプ譜を活用する事例は多かったのですが、「自分の望む姿、望む人材になるために、今の仕事をどのように位置づけて進めていくか?」を考え、実行するためにプ譜をつくっていたことに驚いたからなんです。
そこでまず、山本さんがなぜ、「自分の望む姿になるために、今の仕事をどのように位置づけて進めていくか?」ということを考えるにあたって、プ譜を書いたのかを教えていただけますか?
山本:このプ譜を書き始めたのは、2019年の12月のサービスのリリースがひと段落したタイミングで、来年以降、どのように仕事をしていけばいいかということを考える時期でもありました。
そして、ちょうど年末の合宿時にマネージャーから来年の戦略について、「外部サービスとの連携を積極的にやっていこう」という話がありました。この話を聞き、後日、ぜひそのプロジェクトをやりたいと申し出たんです。
マネージャーは了承してくれたんですが、その他のメンバーのみなさんに、自分はこのプロジェクトを担当できる経験やスキルを積んでいることを伝えられるようになりたいと思いました。そして、自分自身、その仕事を担うために必要な、まだ身についていない知識やそれを得るためのタスクを把握するためにプ譜を書いてみました。