テレビでもSNSでも支持されるのは「本音」の言葉
—インフルエンサーがマス広告に起用される事例も増えていますが、最近はどのようなキャスティングの依頼や相談が増えていますか。
山田:テレビCMやWeb広告に、インフルエンサーを起用したいという相談が増えています。また最近は「この人をキャスティングしたい」という指名の案件だけでなく「この商品・この媒体なら、どんな人が合うと思うか」「この人を起用するとしたらどんなことができそうか」など、より企画の川上から関わるケースも増えています。
その背景には、各SNSが多様化する中で、影響力を持った人も分散化している現象があります。SNSごとに人気のインフルエンサーが生まれ、それぞれ特徴も異なり、トレンドが目まぐるしく変わり続けています。「どこで・いつ誰を起用するか」と「どんなコンテンツにするか」の検討も複雑化しているのです。
以前は、テレビの出演本数ランキングなどがキャスティングの基準になっていたこともありました。しかし今はテレビ離れも加速しており、「この番組に出ているから有名、この施策での起用が適切」とも言いきれなくなっています。
一方で、必ずしも「テレビの影響力が落ちている」「タレントよりインフルエンサーのほうが人気」とは言いきれません。今もなお強い影響力を持つ芸能人ももちろんいます。その人たちの特徴を考えてみると、「本音感」があること。「自分のスタンスを持ち、好きも、嫌いも、等身大の本音を発信している」ということが、現代の人気のポイントなのかもしれません。
だからこそ、広告やプロモーションにおけるキャスティングでは「その人が語って、違和感がないか」も非常に重要なポイントになります。特にYouTubeの企業案件では、クリエイターと商材がしっかりマッチングしていないと、炎上につながることもあります。そのため私たちは、各SNSの動向を追うだけではなく、インフルエンサー個人の発信内容まで細かくチェックするようにしています。場合によっては「この人に、この内容の発信は合わない」「この商品なら、この人の方が合う」と、ご提案することもあります。
インフルエンサーそれぞれの思想や特徴を把握し「一貫性」を重要視した提案を
—なぜ、ここまで「その人が語って、違和感がないか」が重視されているのでしょうか。
山田:テレビCMであれば、タレントの他に、企業、広告会社などの、多くの“大人”が関わって制作しているものとして自然に受け入れられる内容や表現が、SNSという場だと炎上してしまうことがありますよね。それはSNSが、インフルエンサー一人ひとりが「自分で発信する場」だから。
発信者側もこだわりを持っているし、視聴者も身近に感じてファンになりやすい。一方で、ファンであればあるほど、発信の一貫性のなさを許さない傾向も強くなります。驚異的なリサーチ力で、過去の細かな発言が掘り起こされる例もあります。
逆に、インフルエンサーの本当の「好き」が活用でき、しっかりとマッチングする案件が成立した際は、ファンの反応も非常に良い傾向にあります。ですから、インフルエンサー個人の「好き・嫌い」「得意・苦手」の情報を細かく拾っておくことが、全体最適を生む提案につながるのです。
タレント・インフルエンサーの枠を超えた、全体最適を目指すキャスティングをサポート
—人気の細分化が進んでいるうえに、キャスティングにも細やかな情報収拾が求められている時代ですが、そのようななかでエイスリーさんが急成長を遂げている秘密とは?
山田:様々なジャンルにおいて、そのジャンルに詳しい「専門」の担当者がいることが強みになっているのではないでしょうか。例えば、私の場合はYouTubeが好きで、暇があれば1日6時間は見てしまうほど(笑)。その「好き」が高じて、数年前に、デジタルキャスティングユニットの前身でもある「YouTubeチーム」を立ち上げました。現在のデジタルキャスティングユニットは、女性8名、平均年齢25歳のチームで、他のメンバーもそれぞれの「好き」を持っています。Instagramが好きで、誰が「ストーリーズ」で何を発信していたかまで、細かくチェックしているメンバーもいます。
インフルエンサーは毎日情報を発信しているので、話題になるスピードも、話題を失うスピードも、炎上するスピードもとにかく速い。定量的なリサーチも行いますが、そのスピードに追いつかないこともある。熱量を持った専門の担当者だからこそ、拾える情報があるのかもしれません。
最近のご依頼状況を見るに、クライアントや広告会社側にとって、キャスティングの窓口を一本化できないことも課題になっているのではないかと感じます。エイスリーはジャンルごとの「専門家」が集まっており、社内でジャンルを超えて部門連携できる強みもあります。最近はインフルエンサーだけでなく、デジタル上で人気があるジャンルは数多く存在します。
ご相談内容によっては別の部門と連携して最適な人のご提案をすることもできます。例えば、“その道のプロ”が求められる案件なら専門家などを取り扱っている「プロフェッショナル」ユニットへ、声優やVTuberなどオタク文化が絡む案件なら「ジャパンカルチャー」ユニットへなど、連携が可能です。
チャネル・人気の細分化が進む中で、企業の課題解決や施策の狙いに最適な人を選び、さらにキャスティングの専門家としてコンテンツの中身まで考えられることが私たちの強みです。この強みを生かしたキャスティングのご提案をしていきたいと思っています。
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