J-WAVEは5月4日(月・祝日)18時から、特別番組「J-WAVE SPECIAL SHORT SHORT 高崎卓馬の奇妙な短編たち」を放送する。
本作は架空のバー「SHORT SHORT」を舞台に繰り広げられるショートストーリー、そしてドラマとトークの3部構成で、3時間近い放送となる。ショートストーリーに出演するのは、岸井ゆきの、江口のりこ、黒木華、古舘寛治、小林顕作、浅野千鶴、三枝貴志といった演技派の俳優陣だ。
この番組を企画し、ストーリーを書いたのは、クリエイティブディレクター 高崎卓馬さんだ。「企画を始めたのは3月に入ってから、緊急事態宣言が出る前です。CMだけではなく、いろいろな撮影ができなくなり、僕らもクライアントもどうしたらいいか、悩み始めていました。さらに言えば、舞台の幕がいつあくかわからない俳優さん、アーティストだけでなくライブなどの裏方さんなど、あらゆるひとたちに想像が追いつかないくらいの影響が出始めていました。しかもそれがいつまでなのかわからない不安があって。そんな状況の中、仲間たちと会話をしていくなかで、ラジオ番組、ラジオドラマならリモートで、しかも質を落とすことなくつくれるのではないかと思い至ったんです」と、振り返る。
高崎さんが企画当初からイメージしていたのは、ショートコント。そもそもラジオは、音声のみのアウトプットゆえに、映像と違い、メイクも衣装も必要ない。そういう意味では役者に負担をかけることなく参加してもらいやすいのでは、と考えた。ただ一方で、「本当はこうしたかったけれど、できないからこうなっているという、従来のテレビやラジオのコンテンツのあるべき形を疑似的に取り戻すようなことにはしたくなかった。いまの状況だからこそできることをやるべきだと思いました」と話す。
高崎さん自身、今年2月からリモートワークを進める中で、ラジオという媒体をこれまで以上に身近に感じるようになっていたという。「リモートワークに移行してから、テレビが重く感じるようになり、ラジオのながら聴取が今の生活にフィットしているなと感じていました。実際に自粛生活が始まってから、ラジオの聴取率が上がっているとも聞きます。そこで今この状況のラジオだからできる、新しいコンテンツをつくりたいと提案したところ、J-WAVEの方たちも賛同してくれました」。
ラジオには、昔からゲストやリスナーが「電話で参加する」という文化がある。「最近では、MCがフェイスタイムでゲストと話すのが定番になっていると聞き、それを使おうと思いました。というのも役者が演技をする際に顔が見えず、声だけだと相手の様子がわからず、演技のタイミングを掴みにくい。相手の顔が見える状況で演技ができ、なおかつみんなが持っているツールで、音質にも差が出ないものを検証した結果、LINEのグループチャットで実施することになりました」。
台本が完成し、出演する俳優が決まった後、ギークピクチュアズ プロデューサー小澤祐治さんが収録の香盤となるものをLINE上で作成。高崎さんがディレクター的な役割でグループチャットに入ってキューを出すと、参加している俳優陣の演技が始まる。NGが出たら最初からやり直しという、一発録りに近い収録方法となった。
「緊張感もありましたが、舞台で活躍している役者さんばかりなので回を重ねるうちにアドリブが出たり、掛け合いや間合いが非常にいい感じになりました。ご本人たちも久しぶりに演技をして、“こんなに楽しいことをやっていたんだね”と喜んでくれました」。
5月4日の夜には、そんな形で作られたショートストーリー10本がオンエアされるほか、佐藤健による朗読、くるり 岸田繁のオリジナルサウンドの「風の惑星」と題された1時間ドラマもオンエア。また番組のラストには、黒木華、クラムボン 原田郁子が出演し、高崎さんとのリモートトークも行われる。
オンエア情報
「J-WAVE SPECIAL SHORT SHORT 高崎卓馬の奇妙な短編たち」
日時:5月4日(月・祝)18時~20時54分
J-WAVE 81.3FMで放送。radikoでも聴取可能。
出演:岸井ゆきの、江口のりこ、黒木華、古舘寛治、小林顕作、浅野千鶴、三枝貴志、高月颯太、根本拓洋、高崎卓馬、佐藤健、岸田繁(くるり)、原田郁子(クラムボン)
制作協力/ギークピクチュアズ 小澤祐治 直井莉子、スプーン、綾城重理人(SOUND DESIGNER)