今はどこの企業の皆さんも、新型コロナウイルスへの対応で大変だと思います。
新型コロナウイルスの流行前と後で、これまでの“あたりまえ”が、あたりまえでなくなりつつあることを日々、実感しています。
そして、アフターコロナの世界が一体どうなるのか、誰にもわかりません。
ひとつだけ言えることがあるとすればそれは、きっとアフターコロナでは目新しいカタカナを使った「〇〇ブランディング」的な、一見新しそうにみえるマーケティング用語が生まれることかもしれないということ。私も昔は、そんな新しい用語が大好きで、すぐに飛びついていましたが、振り返ってみるとブランドづくりの根底にある基本は、どんな時代でも不変であると感じます。
アフターコロナにおいてもバズワードに流されず、本当に意味のあることをきちんとやることが一番力をもつと、今では考えています。
私たち実務者は、こんな混乱の時期だからこそ、地味に地道にブランドづくりに励みましょう。
さて、このコラムは「ブランドなんか大嫌いなブランド担当者が33年かかって、たどり着いたブランド論」の続編です。前編のシリーズでは、ブランドづくりには『ブランドという言葉の正しい定義』と、『何のためにブランドをつくるのかの目的をきちんと決める』ことの2つが最重要であると言及しました。
なぜなら、実際のブランドづくりの現場においては多くの場合、ブランドの教科書に載っているような間違った定義である「約束」「差別化」を用い、ブランドをつくる目的をあいまいにしたままで取り組んでいることが多く、結果的にブランドがつくれないという現実があるからです。
実務者ブランド論におけるブランドという言葉の定義は「妄想(頭の中に勝手に浮かんだイメージ)」であり、ブランドをつくる最終目的は「お金を儲けるため」です。ここが間違っているとブランドづくりは絶対にできません。
しかし、ブランドづくりの「目的」がお金を儲けるためで、ブランドの定義が「妄想」とわかっていても、実際のところ、何から手をつけどうしていけばブランドがつくれるのかという、具体的な方法論がわからなければブランドづくりはやっぱり難しい。後編となる「実践編」では、ブランドをつくるための具体的なやり方について順を追って説明していきます。