首都圏を中心にスーパーマーケット「サミットストア」を展開するサミット(東京・杉並)は4月25日、「来店時の新型コロナウイルス感染予防に関するお願い」を掲載した新聞折込広告を配布した。
広告では「サミットストア全店舗の店長より」と題し、全117店舗の店長らの写真とともに4つのメッセージを掲載。「店内は適切な換気設備を運用しております。」「必要最低限の人数でのご来店にご協力ください。」「レジにはお一人でお並びいただき、他のお客様と間隔の確保をお願いします。」「混雑の状況によっては入場制限をさせていただく場合がございます。」などと訴えた。
店長の集合写真は今回のために用意したわけではなく、1月に店頭デジタルサイネージ「サミットビジョン」で経営方針を放映するために撮影した写真を使用した。
情報発信で地域へ貢献
同社によると、外出自粛要請や緊急事態宣言の発令時には、生活必需品を買いだめするために多くの人が駆け付けた。不要不急の外出ができないなか家族連れで買い物を楽しむ客も多く、混雑緩和のために注意喚起をする必要があったため、広告を制作した。
エリアは関東圏の1都3県で、計230万部配布。平時に制作している特売チラシと同じ規模での配布となった。なお、特売チラシは、商品の安定供給と店内の混雑を避けるために4月9日から自粛している。
広告には、アルバイト・パート・正社員の求人情報も合わせて掲載。新型コロナの影響で仕事を失った人を支援し、地域の雇用に貢献する目的がある。
4月23日には、ウェブ上でリアルタイムで混雑状況の情報を提供する仕組みを構築。各店舗のウェブサイトにあるGoogleマップのリンクにアクセスすると、時間帯別に確認できる。グーグルがロケーション履歴を有効にしているユーザーの匿名データをもとに分析したデータである。
同社の広報担当は「来店客数は天候などの影響も受けるため、これらの取り組みの効果は正確に測れていませんが、継続して情報発信を続けていきます」と話した。
子どもの自宅遊びを支援
サミットは事業ビジョンに「サミットが日本のスーパーマーケットを楽しくする」を掲げ、従来からユニークな特売チラシを制作してきた。例えば2019年9月に紙面上で開催した「サミットカップ2019」では、大手食品メーカーのトップらが自社製品を使ったメニューを提案し、来店客の投票などによってトーナメント形式で争った。
コロナ禍では、そんなアイデア力を活かして、休校が続く子ども向けのコンテンツを制作。4月25日の広告の裏面には「おうちで楽しく!折り紙を折ろう!」を掲載。動物やこいのぼり、かぶとなど6つの折り紙を紹介した。
5月5日のこどもの日に配布したのは、両面にゲームが描かれた広告。「サミットランドへようこそ!」と題し、間違い探しやすごろくなど、5つのゲームを盛り込んだ。
同社は今後も新型コロナの動向を踏まえながら、来店客に寄り添う広告を制作していく方針だ。