アクセンチュアは5月20日、新型コロナウイルスのパンデミックの結果、世界の消費者の購買優先度、購買決定、行動パターンの変化について調査した結果を発表した。この調査は、2020年4月2日から4月6日にかけて世界15カ国(日本、オーストラリア、ブラジル、中国、カナダ、フランス、ドイツ、インド、イタリア、メキシコ、韓国、スペイン、アラブ首長国連邦、英国、米国)の3,074人の消費者を対象に実施されたもの。
同社では今回の調査から、新型コロナウイルスの感染拡大はデジタル導入の流れを加速させ、消費者の購買行動の変化が今後も持続する可能性が高いと予測。特に消費財および小売業界に長期的な構造変化をもたらす可能性があると説明している。
今回の新型コロナウイルス感染拡大をきっかけに、食料雑貨を初めてオンラインで購入した消費者は5人に1人を占めたほか、パンデミック後もオンラインでの買い物を続けると回答した割合は37%となった。
また、デジタル活用に対する設問について、「テクノロジー製品の購入に関心がある」、「それらの利用機会を増やすことに関心がある」と答えた消費者は、回答者の半数以上。欲しい情報がオンラインで入手できる機能への関心が高まっていることがわかった。新型コロナウイルスの影響で、消費者のデジタル活用を加速させていることも明らかになった。
アクセンチュアの消費財部門を統括するマネジング・ディレクターのオリバー・ライト氏は「消費者の新たな購買行動と消費活動は今後も継続することが見込まれ、その期間は1年半以上、そして2020年代の大半にわたって続くと推測される」とコメントしている
さらに同氏は、「これからの10年間は、消費者は持続可能性をめぐる世界的な課題に向き合い、日々の暮らしの中で何を購入するのかについて、どのように折り合いをつけるべきかより真剣に考えるようになる。企業はアフターコロナの世界を見据え、購買パターンの変化を捉えながら各種の製品やサービスを提供していくことが求められる」とも説明している。