野村総合研究所(以下、NRI)では、同社が有するシングルソースパネルデータである「NRIインサイトシグナル」のデータをもとに5月27日、新型コロナウイルスの感染拡大による生活者の消費行動についてのレポートを発表した。
NRIでは消費者を「利便性消費」、「プレミアム消費」、「安さ納得消費」、「徹底探索消費」の4つのタイプに分類して分析を行っているが、今回は2019年4月時点と2020年4月時点の結果を比較することで、新型コロナウイルス感染症が消費に与える影響を考察している。
今回のレポートによると、2019年4月時点では「利便性消費」の割合がもっとも高い53%であったのに対し、2020年の4月時点では「利便性消費」が6ポイント減少したほか、「徹底探索消費」が4ポイント増加したことが明らかになった。
NRIでは「新型コロナウイルス感染症の影響で、所得の不透明性が高まり、利便性を重視するのではなく、安ければよいという消費価値観が浸透してきた」と分析。さらに「プレミアム消費」や「徹底探索型消費」など、商品・サービスにこだわる消費者も微増の傾向にあることから、消費行動に制限が強まる中で、消費に対してこだわりを持つ人が増加したことも特徴的な変化であるとの見解を示している。