新型コロナウイルス拡大防止のためのテレワークの継続で、見えてきた課題のひとつに、社員のエンゲージメント低下がある。どのようなシーンでエンゲージメントスコアが低下するのかパターンを知っておくことは、対応策を打つ上で助けになるだろう。
エンゲージメント解析ツールの開発・運営を行うアトラエが5月27日に発表した「新入社員のエンゲージメント低下パターン」の調査分析によれば、4月入社の新入社員のうち6割以上が入社1年後にエンゲージメントスコアが低下。ただその低下のしかたは、徐々に低下するのではない。特定の月に大幅に下がっている。このことから、研修の開始や終了、配属決定、大型連休などの要因で急落するパターンが多いと推察している。
また、テレワークと人事異動が重なると、エンゲージメントが悪化する場合もあることもわかっている。同社とワークスイッチコンサルティングが行った共同分析(4月20日発表)では、「新しい業務について、自分のやるべき仕事やその意義を明確にしていくこと」「新しい環境において、一緒に働くメンバーの人となりを知っていくこと」がテレワークによって実施困難だったことを、スコア低下の理由として推察。
またオンライン通話サービスを利用した1on1等を通して目標設定を集中的に行うことで、スコア改善が確認されることを示した。慶應義塾大学・総合政策学部の島津明人教授は、調査結果について「テレワークを行っていても、オンラインを活用したマネジメントの工夫によりワーク・エンゲージメントが維持される可能性を示唆している」と話している。