プロとプロをつなぎ、「いいもの」をつくるのが仕事
プロハイジが登場するアニメーションでおなじみの家庭教師のトライ「教えて! トライさん」シリーズや、東京ガス「家族の絆」シリーズなど話題のCMを数多く手掛けるKEY pro。CEO/プロデューサー 城殿裕樹さんは、会社を創業した理由を「本当に『いいもの』をつくることに、こだわりたかったからです」と話す。その「いいもの」とは、「クオリティ」「コスト」「成長」「サービス」の4つを満たしているものだという。
「クオリティは、基本となる制作物の質です。携わったすべての人にきちんと利益が出ることがコスト。成長は、クライアントのメッセージが生活者に届くだけでなく、スタッフも成長できる仕事であること。そして、人を感動させる、制作に関わるスタッフ全員が気持ちよく仕事ができるような環境づくりがサービスです。どれかひとつでも欠けていては、本当に『いいもの』であるとは思いません」。
CMは、エージェンシーワーク、クリエイティブワーク、クラフトワークが対等に三位一体となって制作するもの。それぞれがプロとして自分の役割を果たしたうえで、意思疎通が取れなければ、「いいもの」はつくれない。その際クラフトワークにおける重要な役割を果たすのが、プロデューサーやプロダクションマネージャーだ。
「僕たちの役割は、クラフトの責任者として、企画のプロとクラフトのプロをつなぐことです。そこに、プロとして誇りと責任を持っています。各分野のプロと対峙する仕事がゆえに、お互いをリスペクトし、信頼する。それがKEY proの大切にすることです」。
リスペクトと仕事への責任感
KEY proの代表的な仕事のひとつに家庭教師のトライの「教えて! トライさん」シリーズがある。このシリーズでは、毎回大量のVコンを制作し検証。その中から珠玉の1本を放送する。プレゼンの場には、クリエイティブディレクター、エージェンシーの営業とともに城殿さんも出席。このチームでは各自の役割が明確で、クライアントに関することは営業が、企画についてはクリエイティブディレクターが、制作についてはプロデューサーが責任を持って説明している。
「家庭教師のトライの担当者は本当に熱心で、より良いCMにするための案を僕たちと一緒になって考えてくれます。お互いに信頼しているから無駄なディレクションも発生せず、自分のすべきことに集中して仕事ができています。営業、企画、制作が三位一体となって、『いいもの』を提供し続けられているのが、この企画が続く理由だと思います」。
協業する際にマージンを取らないのもKEY proの特徴だ。同社は受けた依頼を電通クリエーティブXや東映シーエムなど他のプロダクションと協業して進めることも多い。その際、広告会社からの受注金額からマージンをとるのではなく、協業先のプロダクションに残った最終的な利益から一定の割合を報酬として受け取っている。協業先のプロダクションの利益が0だと、KEY proの利益も0。自分が受けた仕事に責任を持ち、協業先を信頼しているからこその仕組みだ。
プロダクションを憧れの存在に
現在同社は、海外プロダクションを参考に、新しい働き方・給与体系を実践中だ。日本では若手のステップアップとして扱われがちなプロダクションマネージャーだが、海外では10年、20年と活躍することも当たり前。制作現場の司令塔を担う大切な存在だ。それに対し、プロデューサーはクラフトワーク全体を見る立場と、それぞれの役割を明確にした。職種ごとに採用し、各職種のプロフェッショナルの育成を目指している。
給与体系も職種別で、仕事ぶりによっては、プロダクションマネージャーも、プロデューサーと遜色ない給与をもらえる。他にも、女性が働きやすい環境づくりを目指し、時短勤務も導入。制度を活用し、子育てしながら活躍するメンバーも在籍している。
「KEY proの一番の目標は、依頼してくれたクライアントの皆さんを感動させること。もうひとつの目標は、今後10年かけてプロダクションマネージャーやプロデューサー、そしてプロダクション業界全体のイメージアップを図ることです。そのためにも、働きやすい環境を整えています。『プロデューサー、プロダクションマネージャーってかっこいい』と誰もが思ってほしい。そんなムーブメントの中心に僕らがいれるよう、プロとしての誇りをもって、本当に『いいもの』をつくり続けます」。
お問い合わせ
KEY pro
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