セブン銀行は8月、顔認証機能を搭載したATMを用い、JCB発行の「ANA JCBプリペイドカード」の申し込み、発券を実験する。事前に専用Webサイトで情報を入力、ATMでは運転免許証と利用者の顔を撮影し、一致すれば本人確認とする。実験は9月までの1カ月間、JCB本社ビルを会場に、JCB関係者を対象とする。
本人確認ができた情報は、電通国際情報サービスとの合弁会社ACSiONのシステムに蓄積し、企業が照会できるサービスを提供する予定。各種手続き時のなりすましを防げるほか、確認にかかるコスト削減を見込む。
顔認証技術を用いた本人確認は、オンラインでの買い取りサービスで利用例がある。カメラや腕時計などの販売・買い取りを手がけるシュッピン(東京・新宿)は6月17日、スマートフォンで運転免許証と本人の顔を撮影し、一致すれば本人確認とするシステムを導入したと発表した。これまでは出品者が書類を用意し、郵送するという手間がかかっていた。
「ANA JCBプリペイドカード」は、事前に現金などでチャージ(入金)した金額分を、JCB加盟店での買い物に使えるプリペイドカード。利用金額に応じて、支払い時に使える電子マネー「バリュー」か、全日本空輸のマイルを貯めることができる。チャージ式の電子マネーでは交通系や小売り系が先行。本人確認を簡略化し、クレジットカードを持たない人を取り込む狙い。