阪神タイガースはこのほど、Web経由で球団や選手へ「投げ銭」できるシステムを導入した。プロ野球では初。1回で4万5000円相当のポイントを贈ったファンなども現れている。球場での観戦ができない中、ファンとの新たな接点の構築を狙う。
MBSメディアホールディングス傘下のMGスポーツ(大阪市)が、スポーツ専門ギフティング(投げ銭)サービスのエンゲート(東京・渋谷)と提携し、タイガースのページを開設した。贈るポイントは、100ポイント150円(税込)から購入できる。1万800ポイントで1万3500円など、購入額に応じて割引になる。「ナイスプレー!」「(ジェット風船を)みんなで飛ばそう!」などのイラストも添えられる。
6月29日11時時点で、球団では4万2270ポイントを獲得。選手で上位3人は梅野隆太郎選手の3万4770ポイントを筆頭に、藤浪晋太郎選手は2万2600ポイント、ジェリー・サンズ選手は8110ポイントとなっている。
「投げ銭」は、ライブ配信サービスで活況のシステムだ。スマートフォンやパソコンから、リアルタイムで動画を配信できるサービスには、配信者にプレゼントするという体裁で、有料アイテムを購入できるものがある。アイテムを贈ると画面上に特別な演出が施されたり、配信に対して寄せたコメントを目立つようにできたりする。ことし3月には、4人組ゲーム実況・音楽制作ユニットのM.S.S Projectの無観客ライブで、1億円を超える「投げ銭」が集まったと話題になった。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2018年12月に発表した調査結果では、ライブ配信の視聴者で、有料アイテムを購入したことがある人は、10歳代で13.7%、20歳代〜40歳代で7%程度。1回の配信で最も多くのアイテムを贈ったときの金額は、500円以下が36.8%、1000円以下が21.1%だった。1万円を超える人も10.5%いた。「配信内容に満足したから」(50.0%)、「配信者に喜んでもらいたいから」(34.2%)、「配信を盛り上げたいから」(31.6%)という理由で贈る人が多い。
阪神タイガースは6月26〜28日の横浜DeNAベイスターズとの3連戦で、エンゲート会員向けに、亀山努氏や藪恵壹氏などOBをゲストに迎えたトークイベントを開催。確実午後5時30分〜試合終了まで配信し、観戦を盛り上げた。また、「投げ銭」の額に応じたプレゼントキャンペーンなども実施した。3連戦は1勝2敗となったが、30日からの中日戦へ向けた激励のコメントなどが寄せられている。