交通広告を起点として企業と人とのつながりをつくる
東京メトロの交通メディアを活用し、新たな価値を創出する表現やアイデアの、発掘・育成を目的にした「Metro Ad Creative Award 2019」。その受賞作品の一部が掲出された「ギャラリートレイン」が、6月16日から30日にかけて、東京メトロ銀座線1編成で運行された。車内には、デザイン部門で受賞した中づりポスター作品を実物大で掲出したほか、プランニング部門の受賞作品も紹介した。
2017年に開始し、今回で3回目を迎えたMetro Ad Creative Award。協賛企業からの課題に対して、中づりポスターデザインもしくはMCV(駅サイネージ)用の動画を募集する「デザイン部門」と、アイデアを企画書形式で募集する「プランニング部門」から成る。今回はデザイン部門で徳島県や日本ケンタッキー・フライド・チキン、B.MARKETING、カルビー、プランニング部門でアディダスジャパン、ハウス食品、ボルボ・カー・ジャパン、日本マイクロソフトのそれぞれ4社の課題が出された。
その中でグランプリ受賞に至ったのは、中央アド新社 安田広美さんと同 大友景祐さんがカルビーの課題に応募した「この食感を味わえないなんて辛すぎる。」(デザイン部門)と、東急エージェンシー 中村朱里さんと同 本多陽一さんがアディダスジャパンの課題に応募した「青春でかプリ」(プランニング部門)。
第3回の開催を終え、メトロ アド エージェンシー 媒体本部 媒体戦略局 戦略企画部 富田瑛子さんは「ありがたいことに、年々応募が増えています。開催当初から、交通広告の特性や魅力をご理解いただいている方がとても多く、その中でも今回はシンプルな発想ながら、キャッチフレーズやクリエイティブの工夫が印象に残る、斬新なアイデアばかりでした」と振り返る。「コロナ禍において行動が制限される今、企業の広告コミュニケーションも大きく変化しています。そんな中でも、交通広告を起点として企業と人とのつながりを感じていただけるよう、今後も続けていきます」(富田さん)。
デザイン部門
「この食感を味わえないなんて辛すぎる。」
安田広美(中央アド新社 制作部 第1制作チームアートディレクター/デザイナー)
大友景祐(中央アド新社 DX 推進部 プランナー)
応募のきっかけ
昨年から通っていた「アートディレクター養成講座」の課題として、このアワードに参加しました。実際に企業の方からのオリエンを受け、興味深く面白そうだなと感じたので、挑戦することにしました。中づりという身近な媒体で、どのようにしたら多くの人に見てもらえるか、そして、商品の特徴をしっかり理解してもらえるか。広告の本質的な課題だなと感じました。
企画意図
「堅あげポテト」の魅力は、なんといっても「固い食感」と「噛むごとに深まる味わい」。この魅力を最大限伝えるには、噛めないことがどんなに辛いことかを伝えた方が良いのでは、と考えました。イラストは、小学生が描く歯を大切にするポスターのようにしたかったため、実際に私の子供たちに描いてもらっています。お菓子だからこそできる、ユーモアのある思い切りのいいデザインにしました。
受賞の感想
大変驚きました。驚きすぎて聞き間違いではないかと不安になりました。すぐに二人で共有し、喜んだのを覚えています。世の中が暗い雰囲気ではありますが、明るく笑っているイラストを見て、少しでも元気になってもらえると嬉しいです。人に寄り添いながら、気持ちを動かし、行動を変えるような、デザインとコミュニケーションを考えていきたいです。
プランニング部門
「青春でかプリ」
中村朱里(東急エージェンシー プランナー/コピーライター)
本多陽一(東急エージェンシー デザイナー)
応募のきっかけ
最初は、友人に誘われて「Metro Ad Creative Award」を知りました。前回応募した際は日本コカ・コーラさんの協賛スポンサー賞をいただいたのですが、今回は再挑戦として、前回足りなかったことを考察。その要素を加えた企画を考え、応募した結果、今回の受賞につながりました。「Metro Ad Creative Award」のプランニング部門は、課題の場所が「新宿駅地下通路」と明確なので、アイデアを現実的に考えやすいように思います。地下通路で体験する人、それを見ている人、見ながら通り過ぎる人を想像しながら考えられることも、このアワードならではだと思います。
企画意図
個人競技であれ、団体競技であれ、チームメイトや仲間の存在の大きさを実感していました。それを、「チーム丸ごと全員で撮れる超巨大プリントシール機」で表現したいと思いました。
受賞の感想
思わず叫んでしまったほど嬉しいです。励みになります。これまで出会ったすべての方に感謝しています。前回も、銀座線に乗りに行ってしまいましたし、今回も何度も乗ってしまうと思います。今後も、あったらちょっと嬉しいなというアイデアを考え続けていきたいです。
Metro Ad Creative Award
詳細はこちら
https://maca.sendenkaigi.com/