メルカリ会長・小泉文明 鹿島アントラーズの運営を通じて「“街づくり”をやりたい」

※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。7月25日(土)の放送は、メルカリ 取締役President(会長)の小泉文明さんが登場しました。

メルカリが徹底的にこだわっていること

同社は、言わずと知れた日本最大級のフリマアプリ「メルカリ」を運営。2013年2月の会社設立以降、急成長を遂げています。

そんな同サービスについて、小泉さんは「『ヤフオク!』など、モノを売買するネットサービスはもともとありましたが、『メルカリ』はスマートフォン(以下、スマホ)が登場してからできた会社。オークションで値段が上がっていくような設定ではなく、値段が上がらず、スマホでわかりやすい形で売買ができる」と説明します。

取引が完了すると、出品者には売り上げ金の販売手数料10%が差し引かれた金額が入る仕組みとなっており、「20~30代の女性がメインユーザーで、アパレルや本、最近では野菜や果物など、さまざまなモノが売買されている」と言います。1日に売買される金額は、20億円前後という反響ぶり。

「経済産業省のデータでは、家のなかにある65~70%のモノは“使われていない”と言われているんです。使っていないものをみんなが出品して欲しい人に渡していけば、ビジネスとして成り立ちますし循環型社会の実現にもつながる」と小泉さん。

また、「“いかに簡単に誰でも出品できるか”に徹底的にこだわっている」との言葉通り、システムにAI(人工知能)を導入するなど、ユーザビリティの向上に余念がありません。例えば「G-SHOCK」を出品する際、「写真を撮ってもらったら、画像認識で自動的に“CASIO(カシオ)”“G-SHOCK”“色”などの情報が出るようになっている。本などであれば、バーコードを入力するだけで本の情報がすべて出てきて、売れやすい価格がサジェスト(提案)される。(売り手が)“面倒くさいな”と思うところに手を差し伸べてあげることが重要」と話します。

「売買は絶対に世の中を変える」と確信

小泉さんは早稲田大学卒業後、「証券会社の投資銀行部門で、株式上場する企業のアドバイスをするような業界に進んで、成長する会社を見てみたい」という思いから、大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツに入社。そこでは、ディー・エヌ・エー(DeNA)やミクシィなどのコンサルタントを担当し、一部上場するまでの軌跡を間近で経験。

「『mixi(ミクシィ)』に携わったときに、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を見て、これはインターネットのインフラになる。すべてのインターネットユーザーが1人1アカウントを持つ時代がくると思った」と実感した小泉さんは、その後、2006年にミクシィにジョインし、取締役執行役員CFOとして敏腕ぶりを発揮。2012年、32歳のときに退任後、フリーランスとしていくつかのスタートアップの支援を経て、2013年12月にメルカリへ参画します。

その理由について、「もう一度『mixi』みたいに社会を変えるようなサービスをつくりたくて、(代表取締役CEO)の山田進太郎に会った。“売買は絶対に世の中を変える”という確信が持てたので、まだ小さかったメルカリに入って一緒に立ち上げていった」と振り返ります。

スタジアムをテクノロジーの実験場に

2019年8月より、鹿島アントラーズ・エフ・シーの代表取締役社長を兼任している小泉さん。

プロサッカークラブ・鹿島アントラーズの運営を通じて、「もちろんエンターテインメントやスポーツビジネスもやりたいのですが、もう1つの切り口として“街づくりをやりたい”という思いがある」と話します。

「これまでの僕らの生活って、インターネットにアクセスする時代だった。でもこれからは、僕らがネットワークのなかで生活をするような形、インターネットに常時接続しているような社会になっていくと予想している。そうなったときの人々の生活は大きく変わると思うので、そこに対して新しいライフスタイルをつくりたい。地域とともに歩んでいるサッカーチームは、ある意味ライフスタイルを変えるきっかけになるのではないかと思って経営している」と補足します。

その1例として小泉さんが挙げたのは、キャッシュレス決済。「おそらく今後のキャッシュレスは、スマホすらいらなくなって顔認証や生体認証になっていく」と予見します。

公式戦の開催時には、およそ2万人の観客がスタジアムに足を運ぶことから「僕はスタジアムを(テクノロジーの)実験場にしたいと思っていて。入場から決済までをすべて顔認証で済ます実験をしようとしています。(シーズン中は)毎週末に開催されるので、PDCA(Plan・計画→Do・実行→Check・評価→Action・改善)を回しやすい」と言います。

こうした実験をスタジアムで進めることによって、「“次は商店でやってみよう”とか“街でやってみよう”と、いろいろなテクノロジーを社会にインストールするときのストレスが、どんどん減らせるのではないか」とメリットを挙げ、「スタジアム発の街への“テクノロジーの伝播”のようなことをやっていきたい」と展望を語っていました。

【この記事の放送回をpodcastで聴く】


<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mousou_tfm


コンテンツパートナー記事とは
AdverTimes.編集部が注目する広告界のオウンドメディアから
読者に届けたい記事を厳選し掲載しています。

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ