渡邉良重氏デザインの「ヒロシマ・アピールズ」ポスター、8月3日から広島市内に掲出

日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)と広島国際文化財団が主催し、1983年より実施しているキャンペーン「ヒロシマ・アピールズ」。1983年に第1回作品として、当時JAGDA会長の故・亀倉雄策氏による「燃え落ちる蝶」を発表。その後1989年まで、毎年JAGDA会員1名がボランティアで1点ずつ新しいポスターを制作している。2013年より主催にヒロシマ平和創造基金も参加。言葉を超えて“ヒロシマの心”を訴えるポスターを共同制作し、国内外に向けて平和を呼びかけている。

23作目となる本年度のポスターを制作したのは、KIGI 渡邉良重氏。本ポスターは、7月8日に広島市役所において松井一實広島市長に贈呈された。そして、8月3日〜16日の期間に、広島市内のバス停23ヶ所にも掲出される。

渡邉氏はDRAFTを経て、植原亮輔氏とともに2012年にKIGIを設立。グラフィックデザインのほか、D-BROSの商品企画、ほぼ日とファッションブランド「CACUMA」、滋賀県の伝統工芸職人とプロダクトブランド「KIKOF」を立ち上げるなど、プロダクトやファッションデザインも手掛けている。

今回の制作にあたり、渡邉氏は次のようにコメントしている。

「平和な日常がおくれるのは特別なことです。わたしがこのコメントを書いている今は世界中がウイルスと戦っていて、この禍いは国家間の情報戦争や経済戦争に発展しています。 わたしには世界はますます複雑で多くの欲望が渦巻いているように見えます。 とても悲しいことですが、今はどう望んでもすぐには世界中に平和が訪れるとは思えません。 それならばまずは、日本は日本の力で、 わたしたちひとりひとりの力でこの国とわたしたちの命を守ること。ここから始めるしかないように思います。

このポスターの依頼を受け、わたしは命を描きたいと思いました。 この少女は幼かったころのわたしの母であり、わたしであり、 日本中の少女でありそして世界中の少女です。 この命が輝けますように」。

新作を含む「ヒロシマ・アピールズ」のポスターは広島市役所ほか、国内外の美術館での展示も行われている。

●ポスターの展示

・展示作品:「ヒロシマ・アピールズ」ポスター2020
会期:8月3日(月)〜8月14日(金)
会場:広島市役所 1Fロビー

・「ヒロシマ・アピールズを中心とした平和ポスター」
会期:開催中、9月15日(火)
会場:富山県美術館 展示室5

・展示作品:過去の「ヒロシマ・アピールズ」ポスター(1983〜2019年版)ほか「Posters for Peace: Hiroshima Appeals」
会期:開催中、9月13日(日)
会場:Designforum Wien(オーストリア・ウィーン)

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