セリフひとつ言うために静岡に!?豪華ゲストの贅沢な使い方
澤本:すごくコメディを分かってくれているよね。
浜崎:そうそう。それはすごく感じましたね。
澤本:コメディって好きですか?
吉沢:好きですね。演じていて一番気持ちいい。
浜崎:そうでしたか。
吉沢:ある意味、難しいですけどね。コメディは普通の感情とかではないじゃないですか。
澤本:違いますね。
吉沢:間とか、声の張り具合とか、トーンとか。技術的にもめちゃくちゃ求められるし。ただ、すごく難しいんだけど、それがハマった瞬間とか、それこそ今回の現場みたいに監督が笑ってくれている瞬間とかは、めちゃくちゃ気持ちいいですね。
浜崎:言葉では言えない技術が入っているという感じがね。
吉沢:そうですね。しかも、見てくれている人の反応が一番分かりやすいじゃないですか。笑うか笑わないかが、音で聞こえてくるから。舞台とかもそうですけれど。もしかしたら、コメディでリアクションが返って来た瞬間が、一番楽しいかもしれないですね。
浜崎:いや~、そうなんですね。
吉沢:あと、台本読んだ時と印象が違ったのは、堤(真一)さん演じる計です。もっと頑固なインテリ親父という印象があったんですけど、堤さんが演じることによって人間味みたいなかわいらしさがすごく出ていて。それがまた、すごい素敵だなと思って。やっぱ「うまいな」と思いながら見ていましたね。
澤本:僕もまったく同じで。堤さんのセリフって、もうちょっとカチカチに書いていたから、堤さんがやるにしても厳格になるのかなと思ったら、予想を超えてきたので。
浜崎:そうそう!そうなんですよね。
澤本:それが面白かったからね。
浜崎:そうなんですよ。
澤本:でも、キャスティングがうまくいってよかったよね。本当に。
浜崎:スケジュール的なものも含めて、難しいですからね。撮影日も「どうしてもこの日は来れない」ってことあるし。だから、「まあ、よくこんなメンバーが集まれたな」というのは、いまだに奇跡のように思います。
澤本:松田(翔太)君がよく出てくれたと思ったよ。
浜崎:確かに。
吉沢:面白かったです。
澤本:振り返ってみると、「あの役やってもらってよかったな」っていうことばっかりじゃない?
浜崎:妻夫木(聡)さんにしても、古田新太さんにしてもね。竹中(直人)さんしかり。
吉沢:古田さんの出方はズルいですよね。
浜崎:あれはセコイ(笑)。
吉沢:笑いだけかっさらって、帰っていくみたいな。あれは、超面白かった。
浜崎:あのセリフを言うためだけに、静岡に新幹線でお越しいただいて。
澤本:でも、あそこに古田さんがいないと、色んなことがバレちゃうんだよね。
浜崎:そうなんですよ。
澤本:そうそう。古田さんが笑いをかっさらってくれるから、隠されているものが隠されたままになるんで。
浜崎:そうですね。
吉沢:堤さんが「えっ、もう帰るの?」って聞いたら「うん。俺、終わったから」「あっ、そう」みたいな。そのやりとりも、なんかいいなと思った。
澤本:城田(優)君も一言だもんね。
浜崎:ははは。ちゃんとツッコミ入れてね。
澤本:ものすごい数のテイク撮ったでしょ。
浜崎:撮ってた。
吉沢:めちゃくちゃ撮りましたね、そう言えば。
浜崎:撮ったのよ。「こんなに撮られるとは思わなかった」って城田さんに言われた。
吉沢:確かに、色んなパターン撮っていましたね。
浜崎:そうなんですよ。僕、引き出し全部開けちゃうタイプなんで。「これ、どういう言い方をするのがベストなのかな?」みたいな。一回食べただけじゃ分からないときは、「ちょっと、もう一回食べてみよう」と思って。だから、色んなパターンを。
澤本:はい。ちょっと話も続いていますけど、この続きはぜひ来週、もう一回吉沢君に色々喋ってもらおうと思いますし、浜崎さんの喋りを半分にします。
浜崎:すみません(笑)。本当にごめん。なんか喋っちゃった。
吉沢:ずっと喋ってますからね。
浜崎:ごめん。本当に。ヤバい、ヤバい。
吉沢:それが最高なんですよ!
浜崎:本当に、リスナーの人に怒られるから。
澤本:怒られるよね。
浜崎:マジでヤダな、これ。
澤本:今、そう言った直後に喋っているからね。
浜崎:すみません……。
<後編につづく>
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