日本アカデミー賞俳優の“存在感消しすぎ”問題(ゲスト:吉沢亮)【後編】

食事に行っても、人見知りすぎてずっとメニューを見る

澤本:(広瀬)すずちゃんとの共演は、どうでした?

吉沢:朝ドラの『なつぞら』が先だったとは言え、一緒のシーンはそんなにやっていなかったので、『一度死んでみた』でようやくガッツリ共演という感じでした。『なつぞら』を1カ月間撮って、『一度死んでみた』を撮って、そこからまた『なつぞら』に戻るみたいなスケジュール感だったので。

浜崎:なるほど。

吉沢:そのなかで、めちゃくちゃメタルで口調もめちゃくちゃ悪い、見たこともないすずちゃんに、もうドキドキしちゃいました。

浜崎:やっぱそうですよね。

吉沢:「こんなすずちゃん、見たことない」って。

浜崎:でも、僕のなかではすごくハマっていたというか。

吉沢:めちゃくちゃハマっていましたよね!

浜崎:元々はこっちで、今が違うんじゃないかっていう説がね(笑)。

澤本:本当?

浜崎:いえいえ、嘘ですけど。それぐらいハマっている感じがありました。

吉沢:本当に、めちゃくちゃハマっていましたね。世間の人たちも、あんなすずちゃんは見たことないと思います。

浜崎:そうですねよね。

吉沢:「くそ親父」「死んじまえ」とか、もう何回言ったか、ってくらい。

浜崎:言ってる、言ってる!撮影中、何回も言われていましたね。

吉沢:言われたいですよね(笑)。

浜崎:いや、吉沢君くらいの年齢だとまだいいですけど、やっぱり父親役だった堤(真一)さんくらいになると、結構効いてくると思う。翌日くらいに来るね、あれは。

澤本:翌日くらい。

吉沢:筋肉痛みたいに。

浜崎:そうそう、筋肉痛!「あっ、なんか今日、ちょっと気分よくないな」みたいな。

澤本:なるほどね。

浜崎:世代が近いと、あれくらい言われても問題ないかもしれないですけどね。堤さんは、ボディブローのように効いたんじゃないかなと思っていて(笑)。

澤本:それこそ『なつぞら』のすずちゃんとは、全然違うじゃないですか。

吉沢:全然違いますね。

澤本:現場でも違うものですか?

吉沢:どうだろう?この現場のときは、すずちゃんとあまり話していなかった気がするな。

浜崎:意外にそうですか?

吉沢:一緒に撮っているシーンは多かったんですけど、『なつぞら』では何シーンか共演しただけで、その後すぐという感じだったので。僕がめちゃくちゃ人見知りなんで、ほぼ喋ってなかったかもしれないです。クランクインして何日か経った後に、プロデューサーさんと僕とすずちゃん、あとマネージャーさん何人かでごはんに行かせてもらったんですけど、僕は人見知りしすぎてずっとメニュー見ていましたから。

澤本:ははは(笑)。

吉沢:僕の右隣にすずちゃんがいたんですけど、もう右側は全然。首が左半分までしか動かないみたいな状況で。

浜崎:もっと話しているかと思っていたら、そんな感じだったんですね。

吉沢:この映画の後から『なつぞら』の撮影が本格的にはじまって、そこでだいぶ打ち解けたので、今の関係性がありますけど。当時はそんな感じでした。

浜崎:打ち解けるにも、意外と時間がかかる感じなんですね。

吉沢:時間かかりましたね。

浜崎:僕のなかでは、だいぶ打ち解けている感じなのかなと思っていたんですけどね。でも、もしかしたらその関係性が良かったのかもしれない。

吉沢:逆にね。仲が良過ぎないっていう。

浜崎:そうそう。すずちゃんが吉沢君をマウントするような役だったから、それが良かったのかもしれないですね。

澤本:吉沢君、待っている時間はずっと台本読んでいたよね。

吉沢:そうかも。でも、すずちゃんもそういうタイプじゃないですか。しかも、この現場は、毎シーン誰かビッグゲストがいるから。

浜崎:そうそう。

吉沢:楽屋でも、そのゲストがすずちゃんに話しかける感じになるから、僕が入る隙はなかったかもしれないです(笑)。

次ページ 「キスシーンだけ、リリー・フランキーさんが監督をしていた!?」へ続く

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