日本アカデミー賞俳優の“存在感消しすぎ”問題(ゲスト:吉沢亮)【後編】

『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督と2度対面

澤本:吉沢君は今後やってみたい役とか、何かあります?

吉沢:ちゃんとした社会人の役は、あんまりやったことないなと思っていて。

浜崎:あっ、そうですか。

吉沢:仕事系の役でも恋愛要素が強かったり、特殊な仕事だったり、コメディが入ってきたりが多かったんです。大変だとは思うんですけど、刑事とか医者とかを一回やってみたいな、というのがあります。

澤本:刑事とかは、合いそうだよね。

吉沢:本当ですか?一回やってみたいなと思います。

浜崎:絶対ありますよ。

澤本:でも、そんときの監督、俺と浜ちゃんじゃないね。

浜崎:そうそう。あと聞きたかったのが、『パラサイト 半地下の家族』の映画監督にインタビューされていたこと。

吉沢:はい。

浜崎:『パラサイト』はすごい映画だけど、それを撮ったポン・ジュノっていう監督は吉沢君にはどう見えたかっていう。あの人、すごい人じゃないですか。どんな感じでしたか?

吉沢:もう、後光が差しているというか。

浜崎:マジっすか!

吉沢:嫌味もなく、すっごいいい人で、太陽そのものみたいな人でした。超やさしいし、超フランク。「こんないい人いるんだ」っていうくらい。

浜崎:へー。

吉沢:僕は元々ファンっていうのもあって、全然喋れなかったんです。2回お会いさせていただいたんですけど。1回目は『パラサイト』でアカデミー賞を獲る前に、花束を渡させていただく役をやらせていただいて、その後、アカデミー賞を獲られた後にインタビュアーをやらせていただきました。どっちも緊張しちゃって、本当にガッチガチで。何にも喋れなかったんですけど、監督がどうにか僕を和ませようとして、ひたすら面白いことを言ってくれたりして。

浜崎:そういう感じの人なんですね。

吉沢:「なんていい人なんだ!」って思いました。

澤本:ポン・ジュノ作品って、設定からして面白いじゃないですか。……ポン・ジュノって呼び捨てにしちゃったけどさ。ポン・ジュノさん。

浜崎:いえいえ、ポン・ジュノでいいと思いますよ。

澤本:『グエムル-漢江の怪物-』って大好きなんですよ。

浜崎:怪物がいきなり現れる映画ね。

吉沢:『グエムル』見てないんです。

浜崎:面白いですよ。

吉沢:確か、放射能かなにかで、化け物が生まれる、みたいな感じですよね?

澤本:そうそう。

吉沢:エンターテイメントでありながら、根本にはそういった社会問題が入っているじゃないですか。訴えたり、メッセージ的な作品でもなく、しっかりエンターテイメントでありながら、観ている人がそこに気づくという。

浜崎:そこがすごいですよね。

吉沢:「つくり方、すげぇな」って思いますね。

浜崎:引き込まれるんですよね。怪物が川からグワッて出てくる映画なんて、ハリウッドだったらあると思うんですけど、アジアではあまりないから、すごいなと思ったんですよね。

澤本:すごいし、あれをうまく仕立てているじゃない。

浜崎:そうそう。

澤本:しっかり人間ドラマにもなっている。

浜崎:なってる。それでいてエンターテイメントでもあるんですよね。

澤本:僕が書いた脚本で、いきなり怪物出てきたら笑うでしょ。

浜崎:ははは。確かに。それはあるね(笑)。

吉沢:出してくださいよ、怪物。

澤本:ポン・ジュノの映画に出してもらえるといいよね。

吉沢:いやいや、怖いですよ。

浜崎:怖い?

吉沢:そりゃいつか、出てみたいですけど。

浜崎:『母なる証明』とか、すごいから。

吉沢:あれ、大好きです。

浜崎:澤本さん、『パラサイト』を超えるような作品をお願いします。

吉沢:お願いします。「日本も負けてないぞ」って。

澤本:頑張りますけど、「頑張ります」って言った時にものすごい“何様”感があるよね。

浜崎:いやいや、これは言わないと。言うところから、はじまる。

澤本:鋭意努力します。

浜崎:ははは(笑)。

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