間宮さんと初めてお会いしたのは、私がマスコミ業界を目指した大学3年生の時でした。
実母が大学時代、間宮さんと同じ「放送研究会」のメンバーだったご縁から、ご多忙の中、お時間をいただきました。
その時の第一印象と今の間宮さんの印象は全く変わっていません。
純粋で屈託のない目尻が可愛く下がる笑顔と、褐色の肌、どんな話でも興味を持てる好奇心、魅力的な声、ずっと話を続けていられる知識、雑学に裏付けられた会話力。
こんな大人たちが広告業界では活躍していると知り、本当に魅力的な業界だなぁと感じたことを、今でも鮮明に覚えています。
私が今広告業界にいるのは、このときに聞いたお話が多大に影響しています。
当時学生だった私にも、著書に描かれているような経験を包み隠さず話してくれました。
それは昔の言葉でいう「切った張った」の世界であること、理不尽なことがあっても前向きに噛み砕く能力、度胸を備えられるだけの経験をしなさいなど、広告業界独特の世界とその厳しさも。
一方で口癖のように繰り返したのは、「もう我々の時代ではない。これからは若い人たちの時代。時代も凄いスピードで変化している。どんどん摩擦を恐れずに意見して盛り上げていって欲しい」ということでした。
この本を読むと、そんな間宮さんの人柄が滲み出ていて、まるで間宮さんと会話しているような錯覚に陥ります。
そして、そこには広告界における貴重な経験を後世に伝えていこうという、間宮さんの強い想いを感じずにはいられないのです。
PURPLE INC. CEO
長崎幹広(ながさきみきひろ)氏
ADKを経て、風とバラッド、kazeproに参画、2015年4月PURPLE INC.を設立。幅広い分野で広告企画制作から商品プロデュース、アドバイス、新規事業立ち上げ等をおこなっている。