安倍首相の「資料トントン揃え」は百害あって一利なし

完全に退出するまで気を引き締める

この安倍首相の会見から、多くの企業トップや広報担当者が意識しなくてはならないことは、「神経を使う会見こそ、完全に退出し終えるまで気を引き締めることが必要」という基本に立ち戻ること。何故なら、どのような人でも、早くその場から立ち去りたいと思うものだから。人間なのだからそれは仕方がない。しかし、話し終わった後、一瞬気が抜けて素の自分に戻る傾向が強くなるのもこういう時。当然日常的に無意識で行っている行動が出やすくなる。

多くの人がやりがちな、この“百害あって一利なし”の「資料を立ててトントン」という不要な行動による不要なリスクから回避するためはどうすればいいか。会見をする機会のある当人が、日ごろから「資料は立ててトントン」と揃えないよう徹底する、さらに周囲もそれを気づかせる、これに尽きる。

それに、立てて「トントン」という音を立てること自体、出さなくても良い無駄な音。余計な音を立てる人は、すべてにおいて動き(行動)が雑と認識されることもお忘れなく。なくても良いことは省き、行動をシンプルかつスマートにする。そうすることで、発信する重要なメッセージを阻害するノイズを省くのだ。いざというときにこそ、その人の日常が現れ、企業イメージやブランドを脅かすとも限らない。どうぞご用心を。

1 2
日野江都子(企業ブランディング・プロデューサー/ 国際イメージコンサルタント)
日野江都子(企業ブランディング・プロデューサー/ 国際イメージコンサルタント)

東京生まれ、ニューヨーク在住。フリーランスを経て、2004年、ニューヨークでリアル コスモポリタンを設立。日欧米亜合わせ数千人のハイプロファイリング・クライアント(日系企業や外資企業日本法人の経営層、政治家、財界人、セレブリティーなど)の包括的なブランディングを手がけてきた。施策提案など総合的なコンサルティングを実施し、高い評価を得ている。主な著書『仕事力をアップする身だしなみ 40のルール』(日本経済新聞出版社) 、『Premium Image Management for Men』DVD監修(SONY PCL)、『NY流 魅せる外見のルール』(秀和システム) など。

日野江都子(企業ブランディング・プロデューサー/ 国際イメージコンサルタント)

東京生まれ、ニューヨーク在住。フリーランスを経て、2004年、ニューヨークでリアル コスモポリタンを設立。日欧米亜合わせ数千人のハイプロファイリング・クライアント(日系企業や外資企業日本法人の経営層、政治家、財界人、セレブリティーなど)の包括的なブランディングを手がけてきた。施策提案など総合的なコンサルティングを実施し、高い評価を得ている。主な著書『仕事力をアップする身だしなみ 40のルール』(日本経済新聞出版社) 、『Premium Image Management for Men』DVD監修(SONY PCL)、『NY流 魅せる外見のルール』(秀和システム) など。

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ