フジテレビが視聴者参加型CMで「QUOカードPay」を使用した理由
フジテレビは2019年9月、視聴者が参加し体験できる新しい形のCM商品である「C×M シーバイエム」を発表した。同月14日から開催された「FIVBワールドカップバレー2019」の地上波中継中に放送される日産自動車「日産デイズ」のCMで同システムが活用された。以降、同局の「2019 FNS歌謡祭」「第53回 新春!爆笑ヒットパレード2020」番組内でも実施、活用の幅が広がっている。
「日産デイズ」「2019 FNS歌謡祭」「爆笑ヒットパレード」での実施に際しては、インセンティブに「QUOカードPay」を使用。「QUOカードPay」はメールでURLを送るだけで提供することができ、利用時もアプリ不要なデジタルインセンティブだ。
「C×M シーバイエム」を運用する同局の総合事業局 コンテンツ事業センター プロデュース事業室 デジタルデザイン部 企画担当部長の冨士川祐輔氏に「C×M シーバイエム」を企画した狙い、また「QUOカードPay」の導入を決めた理由について話を聞いた。
数万人単位でキャンペーンに応募 体験型CMシステム「C×M シーバイエム」
「C×M シーバイエム」はフジテレビが独自に開発した体験型CMシステムだ。CMの放送中、あるいはテレビ番組放送中に表示される二次元コードをスマートフォンで読み込むと、放送内容と連動したコンテンツをスマートフォン上でリアルタイムに体験することができる。「新しい・面白い・CM体験」をつくり出す新時代のコミュニケーションシステムとして開発された。
従来も存在した同種のシステムとの違いは、アプリケーションのダウンロードやアカウント登録などによる個人情報の事前提供が不要であること。データ放送がテレビ受像機1台に対してサービス提供されているのに対して、「C×M シーバイエム」では視聴者が所有するスマートフォンの台数に応じて参加者を増やすことができるため、対象を拡大した施策に活用することが可能となる。
初めての取り組みとなった「FIVBワールドカップバレー2019」中継内の日産自動車「日産デイズ」のCMでは、同車が軽自動車で初めて装備した「アラウンドビューモニター」を訴求。CM内では駐車する女性が見ている「アラウンドビューモニター」の映像がスマートフォンで流れ、機能を疑似体験することができた。また、スマートフォンの「アラウンドビューモニター」映像内にワールドカップバレーのマスコットキャラクター「バボちゃん」を登場させ、その数を回答することで参加できるキャンペーンも実施。そのインセンティブとして「QuoカードPay」も採用された。
「C×M シーバイエム」でアプリのダウンロードや個人情報を不要とした理由について冨士川氏は「サービスを提供する側としては、参加した視聴者の個人情報を取得しようと考えてしまうので、そこが参加に際してのハードルをつくっていました。いかに視聴者に負担なく、手軽に楽しんでもらえるかを考え、形にしたのが『C×M シーバイエム』です」と話す。
テレビの視聴率測定は従来の世帯単位から個人単位へと変わっている。さらには「視聴数」まで把握ができるようになってきた。視聴率は全盛期から比べると下降傾向にあるが、低いといわれるような番組でも数百万人が見ており、リーチという視点で見るとテレビの持つ力は依然として強い。そのテレビをストレスなくスマートフォンとつなげれば、企業のマーケティングにおいて大きなインパクトを与えるソリューションが提供可能となる。
アプリ不要、個人情報取得不要のコンセプトにフィットした「QUOカードPay」
「C×M シーバイエム」は、「FIVBワールドカップバレー2019」中継内で放送された日産自動車の「日産デイズ」のCMではじめて導入された。応募すると抽選で1名に日産デイズをプレゼントするキャンペーンも実施。さらに、より多くの視聴者に参加してもらうため、コンテンツ内のクイズに正解すると毎回1万名、実施5日間で合計5万名に最高1万円分の「QUOカードPay」プレゼントも行った。
CM1回の放送で万単位の応募を記録。クライアントである日産自動車の担当者も「テレビを活用した新しい施策として評価している。体験者の情報もあり、ターゲットに届いていることも確認できた」と手応えを感じられる結果となった。
「QUOカードPay」を導入した理由について、冨士川氏は「日産デイズ1台というのはインパクトもありキャンペーンの目玉としては効果があります。ただ、視聴者が自分に当たると思えるかというと難しさがある。より多くの人に、気軽に参加してもらうためには金額的には少なくても、当選者を増やす方が喜んでもらえるだろうと考えました」と話す。
これまでにないシステムを活用したデジタルキャンペーンを実施するにあたり、少しでも多くの参加者に届けることができるインセンティブを検討した結果、クオカードのデジタルギフト「QUOカードPay」が選ばれた。
アプリも個人情報も必要がない「C×M シーバイエム」を活用したキャンペーンで、リアルのギフトを送るために氏名や住所を求めてしまうと、せっかくのシステムのコンセプトが失われてしまう。また、郵送で発送するには宛て名書きや郵送費などの付帯コストも発生する。
冨士川氏は「リアルのギフトにも良さはあります。しかし、せっかく『C×M シーバイエム』で使うのであれば、デジタルマネーのようなものの方が送る側も受け取る側も楽。コストもかからないので、その分、当選者数を増やすこともできます」と話す。当選からインセンティブの獲得までのタイムラグもないので、当選者は「テレビを見ているだけ、CMを見ただけで得をした」という体験が記憶に残るというメリットもある。
利用者個人の銀行口座などに紐づいている電子マネーを送ると、セキュリティの懸念も発生する。こうした点を踏まえ、アプリなどの外部サービスや個人情報の登録を必要としない「QUOカードPay」は最適なインセンティブだったのだ。
50円以上なら、1円単位で金額を設定可能 自由度の高さも魅力
「QUOカードPay」が持つアドバンテージは、設定できる金額の自由度にもある。「QUOカードPay」は50円以上であれば、自由に設定が可能。クライアントの要望に合わせて“語呂合わせ”のような金額で発行することも可能だ。限られた予算内で、より参加者を集めたいときに、金額を調整して当選者数を増やすこともできる、その柔軟性は今回のフジテレビの条件にも合っていた。
インセンティブを発行する側として、フジテレビでは朝の情報番組「めざましテレビ」内のキャンペーンなどの実績から、100円程度の小額のものを多くの人に配ることが効果的であることはわかっていた。ただ、仮に100円の「QUOカード」があったとしても、インセンティブ以上の発送コストがかかってしまう。
冨士川氏は「当選者数の少ない高額商品であれば個人情報管理や発送コストを意識する必要はありません。反対に全国放送などの場で行う大規模キャンペーンは対象者が数万人規模に達しますので、個人情報も取らない、発送コストもないデジタルの方がよい。金額も、例えば『フジテレビの日に88円や888円プレゼントします』ということができるので、コンテンツも含めて拡張性もあり、安全性が高いので使いやすい」と話す。
また「QUOカード」は認知度が高いため、「QUOカードPay」になっても受け取り側の心理的な抵抗は少ないという。冨士川氏も「Payって何、使い方は、という疑問はあるようですが、そこに対する苦情は聞いていません。利用方法に関しては他のデジタルギフトでも同じですが、QUOカードの仕組みはすでに多くの人に認知されていると感じます」と話す。
全国放送の番組で実施するキャンペーンとなると、当然ながらインセンティブも全国どこでも使える利便性が必要だ。その点でも「QUOカードPay」はローソン各店で利用することができるので条件に当てはまっていた。
実証実験を重ね、より効果的な活用法を模索する「C×M シーバイエム」
「C×M シーバイエム」はその名の通り、テレビCMをより良いものにしようとするシステムだ。冨士川氏は「CMもテレビのコンテンツの一部。番組コンテンツを楽しむために、録画視聴時にCMを飛ばす気持ちはわからないではないですが、CMが楽しければ飛ばされることはなくなるはず。CMを楽しいコンテンツにすることができ、視聴者が楽しみに待つようになれば、私たちも、スポンサーも、まさに三方よし。そういう仕組みをつくりたい」と話す。
このシステムを使えば、どのような視聴者の反応が得られるのか。実証実験を「2019 FNS歌謡祭」「第53回 新春!爆笑ヒットパレード2020」で行った。「爆笑ヒットパレード」では放送中にシステムを活用したコーナーを6回実施、システムの説明や二次元コードの表示時間など、視聴者が参加しやすいシステムの活用法を検証している。
「爆笑ヒットパレード」では、クオカードとの共同実施の形で行い、全体で500万アクセス、ユニークユーザー(UU)で約300万人を集めた。この成果について冨士川氏は「これはなかなか出ない数字。番組自体は7時間近いものですが、『C×M シーバイエム』を実施したのはそのなかでもほんのわずか。合計で6回実施しましたが、極端な話1分ほどのコンテンツが6回、トータル6分ほどでUUを300万人も集めたことになる。これは私たちにとってもインパクトがありました」と集客能力の高さを評価する。
スマートフォン経由での属性データ取得で、より精緻なターゲティングも可能に
「C×M シーバイエム 」の強みは、テレビ受像機1台に対して視聴者中のスマートフォン所有者数を対象にできることにもある。また、全てのテレビがインターネットに接続されているわけではないが、スマホは基本的に常時通信がオンになっているため、個人情報を特定しない属性データなども取得が可能。しかも視聴率のように翌日に、というものではなくリアルタイムに確認できる。
こうした特性は、CMの新たな活用法につながることも期待できる。具体的には、視聴率や番組の内容をもとに、視聴者の属性を想定し、広告枠を販売してきたが、その視聴属性をより精緻なデータとして提供することも可能になっていく。
視聴者属性を把握することができれば、企業やブランドはよりターゲット層の視聴が多い番組に出稿することも可能になる。そこで「C×M シーバイエム」を組み合わせればより効果を高めることもできる。反対に、視聴者のスマートフォンを対象にできるため、番組そのもののターゲットとは異なっていたとしても、視聴者の一部にでもクライアントがターゲットとする層が存在すれば、その番組に「C×M シーバイエム」を利用したCMでピンポイトにターゲットを狙ったキャンペーンも考えることができる。
「C×M シーバイエム」はテレビとスマホをリアルタイムにつなぐ、シンプルなシステムだ。そのため、スマホ側のコンテンツは自由に展開できる。すでに簡単なゲームを実施し、リアルタイムでランキングをつけるような施策は可能だという。スポンサーにとっては認知、ブランド訴求など、目的に応じて幅広い活用が考えられる。システム利用に個人情報の登録は不要だが、アンケートや会員登録の実施も当然ながら可能だ。フジテレビも、現在システム活用先として全業種、全業態で利用可能として提案を進めている。
CMにリアルタイムな体験という価値を与えようとする新たなシステム「C×M シーバイエム」。導入を推進するための取り組みには、インセンティブの選択肢として低コストで大量に配布できるデジタルギフト「QUOカードPay」が存在感を発揮している。CMを放送するスポンサーにとっても、視聴者の参加ハードルが低く、ブランディング、コンバージョンなど目的に応じてコンテンツを展開できる「C×M シーバイエム」への挑戦は選択肢のひとつとして魅力となる。そのとき、自社製品などに加えて「QUOカードPay」をインセンティブとして活用することでより費用対効果を高くし、キャンペーンに多くの参加者の興味を喚起し、参加意欲を刺激することができるのではないだろうか。
・QUOカードPayについて詳しくはこちら
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