日本におけるブランドづくりは、いばらの道。だからこそ取り組む価値がある。

凡人を前提にした「ビジネスの現場で本当に使えるブランドのつくり方」

いままでの連載で述べてきた凡人の方法論の要諦を簡単にまとめます。

1.定義とブランドづくりの目的を正しく理解する
・ブランドの定義は「妄想(頭の中に勝手に浮かんだイメージ)」
・ブランドをつくる最終目的は「お金を儲けるため」

2.定義と目的を明確にしたうえで、ブランドの土台となる以下の3つを定める
①「ブランドアイデンティティ(存在価値)」
あなたの企業や商品が「なぜか、こだわっている」こと。
あなたの「企業・商品らしさ」「凄いこと」「差別化されていること」ではなく、「こだわっていること」を存在価値にするのが、重要なポイント

②「ブランドプロミス(約束)」
あなたの企業・商品が生活者に約束すること。
生活者から「あなたの企業・商品が世の中からなくなっても、他の企業・商品があるので、私はまったく困らないのだが、どんな損があるの?」「あなたたちが存在することで私に対してどんな良いことができると、(自分勝手に)思っているの?」と仮に質問されたときの答

③「ブランドパーソナリティ(人格・個性)」
ブランドが持つ「人格・個性」のこと。
「あなたの企業・商品を人間に例えたらどんな人ですか?」と問われたときの答え。

3.ブランドが5段階にあることを認識し、各階層にどのくらいの生活者がいるのかを把握

4.ブランド戦略として、3つを決める
①ブランドづくりの目的(どの階層に力をいれるのか)をはっきりさせること、
②資源(人・モノ・金)がどれだけあるのかをはっきりさせること
③何をやるのか、そして何をやらないのかをはっきり決めること

ブランドづくりに関係する皆さんが、これらの「ビジネスの現場で本当に使えるブランドのつくり方」を理解・活用し、私のような多くの失敗をせずに、素晴らしいブランドをつくる一助となれば、こんなにうれしいことはありません。

次ページ 「日本企業は本質的にブランドが苦手? まだまだ続く担当者のいばらの道」へ続く

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片山 義丈(ダイキン工業 総務部/広告宣伝グループ長/部長)
片山 義丈(ダイキン工業 総務部/広告宣伝グループ長/部長)

1988年ダイキン工業入社、総務部宣伝課に配属。1996年広報部 広報担当、2000年広報部広告宣伝・WEB担当課長を経て2007年より現職。業界5位のダイキンのルームエアコンを一躍トップに押し上げた新ブランド「うるるとさらら」の導入や、ゆるキャラ「ぴちょんくん」ブームに携わる。現在は 統合型マーケティングコミュニケーション(IMC)による企業ブランド構築、マスとデジタルのB2C商品広告展開、広告媒体の購入、グローバルグループWEB統括を担当。日本広告学会員。

片山 義丈(ダイキン工業 総務部/広告宣伝グループ長/部長)

1988年ダイキン工業入社、総務部宣伝課に配属。1996年広報部 広報担当、2000年広報部広告宣伝・WEB担当課長を経て2007年より現職。業界5位のダイキンのルームエアコンを一躍トップに押し上げた新ブランド「うるるとさらら」の導入や、ゆるキャラ「ぴちょんくん」ブームに携わる。現在は 統合型マーケティングコミュニケーション(IMC)による企業ブランド構築、マスとデジタルのB2C商品広告展開、広告媒体の購入、グローバルグループWEB統括を担当。日本広告学会員。

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