トヨタ自動車と電通グループは9月16日、トヨタ子会社であるデルフィスを傘下とする新体制発足と資本業務提携を発表した。これにより2021年1月をめどに、デルフィスを含む2つの事業会社と、2社を統括する持株会社で構成される新体制を発足する。持株会社への出資比率はトヨタ66%、電通グループ34%。トヨタのマーケティング変革、モビリティビジネスの拡大が狙い。
新体制を構成する2社の事業会社のうち1社は、デルフィスの事業を基盤とし顧客との関係構築に重きを置いたコミュニケーションの革新、マーケティング変革、モビリティ社会におけるビジネス創造などに取り組む。社名はデルフィスから変更となる。代表はトヨタ自動車の長田准氏が務める。
もう1社はリテール領域のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する。デジタルコミュニケーション分野の研究機関と位置付ける。電通出身で現トヨタ自動車の山下義行氏が代表を務める。山下氏は持株会社の代表も兼任する。
トヨタ自動車では近年、オウンドメディア「トヨタイムズ」を開設するなど、顧客とのコミュニケーションの変革に取り組んできた。その中でCASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)やMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の発展を背景に新事業へ取り組むにあたり、トヨタ単体では実現が難しいことから電通との新体制によって変革を推進する。