「マーケターの集合知で日本に突き抜けた成長力を生み出す」ことを目的に設立された「JAPAN CMO CLUB」。すでに参加マーケターも90名を超えている。今回は次世代CMOの育成を目的に、スピンオフ企画として実施された「CAMP TOKYO」についてレポートする。
成功するマーケターの共通点は本質にこだわり切ること
「JAPAN CMO CLUB」では、次世代のCMOとなる気概を持ったマーケターを対象に「JAPAN CMO CLUB」の経験・知見の共有を目的に「CAMP TOKYO」を開催。10月11日に2回目が開催となった。
イベントの第1部には、「JAPAN CMO CLUB」のメンバーからBlueBottle Coee Japanの矢野健一氏とイトーヨーカ堂の富永朋信氏が登壇。現在は経営トップの職に就く矢野氏だが、かつては富永氏と同じく様々な企業でマーケターとしてのキャリアを積んできた。
「二人がマーケティング戦略の企画・実行において大事にしていることは何か」という問いに対し、矢野氏は「最近、大事にしているのは担当者自身の“想い”。現役のマーケターにこんなことを言うと、怒られてしまうかもしれないが、強い想いさえあれば企画自体に差異化の要素がなくてもよいのではないかとすら、思っている」と答えた。
この指摘に「ハッとした」と話す富永氏は、自身の経験から「リテール業界においては、とかく『競合の動きを見るように』と言いたくなる。しかし、それだけでよい結果は生まれないことも感じている」と話した。実は日々丁寧な接客を心がけるといった、基本を徹底することの方が結果につながることが多いのだという。「差異化を意識しないというのは、基本を徹底することが、売上につながるというリテール業界の経験とも相通じるところがある」(富永氏)。
第2部は、「JAPAN CMO CLUB」のCMOである加藤希尊氏をモデレーターに、I-neの今井新氏、日産自動車の堤雅夫氏をパネリストに迎えて進められた。
来場者へ向けたメッセージとして、堤氏は「マーケティングにおいて意識しているのは、いかに自分を主観的に見ないか。カスタマージャーニーは自社にとって、都合のよいようにつくってしまうこともできる。それでは当然、お客さまに正しい行動は促せない。リアルな気持ちを変えていかなくてはいけないので、お客さまの気持ちを想像して、『このアクションでお客さまの心は本当に動くのか』と常に考えている」と話した。
一方の今井氏は「なぜこの仕事、なぜこのブランドが存在するのか、『WHY』の部分を大事にしている。その答がブランド・アイデンティティそのもの。本質の部分を強く持って、それをお客さまに届けるために、商品や広告をつくっている」と自身の説を展開。
二人の話を受けて加藤氏は「本質をブラさずに体系化でき、そこにこだわり切れる人が最終的に成功しているのだと感じた」と語り、2回目となる「CAMP TOKYO」は幕を閉じた。
JAPAN CMO CLUB
https://www.advertimes.com/special/cmoclub/