偏差値30台から東大合格! Ridilover代表・安部敏樹が目指す「人があきらめなくなる社会」とは?

※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。10月3日(土)の放送は、Ridilover(リディラバ)代表の安部敏樹さんが登場しました。

安部さんの衝撃的な経歴

安部さんは、「偏差値30台から東京大学合格」という、漫画の世界を地で行くような経歴の持ち主。小学5、6年生のころからあまり学校に行かなくなり、中学に進学してからは、さらにそれが加速したと言います。そして、14歳のときには、家庭内暴力を起こしてしまいます。それからは家に帰らず、祖母の家や友達の家を転々とする暮らしをしていたそう。

安部さんが通っていたのは中高一貫校で、その後の高校時代も荒んだ日々を過ごし、学年の成績はいつもビリ。当時の担任からは「出席日数に成績、素行、どれもダメだから大学進学は無理」とレッテルを貼られるほどでした。そんな阿部さんに、友達が面白半分で「阿部、これしかないっしょ!?」と差し出してきたのが、漫画『ドラゴン桜」だったと言います。

その漫画に衝撃を受け、受験勉強を始めた阿部さんは、「自分に勉強が合っていたのか、センター試験を通過してしまった。そうしたら、周りの友達が“アイツ、受かっちゃうかも”と焦り始めちゃって(笑)。自分よりもいい大学に進んだら面白くないから、1次試験から2次試験のあいだに、毎日(友達から)学校に呼び出されるようになって、(誘いに乗って)サッカーばかりしていたら2次試験で落ちちゃって(苦笑)」と振り返ります。しかし、中途半端が嫌いな性格だったため、再び1から受験勉強をして、見事、東京大学合格を果たしました。

そして、安部さんは東京大学に在学中の21歳のときに、「この社会、ムカつく!それをなんとかしたい!」という思いから、ボランティア団体としてRidiloverを立ち上げます。

「社会問題の現場」を提供

ある日、実地研修で理系の基礎を叩きこまれるなか、研修の帰りにダムに立ち寄ったときのこと。女性教授から「あなたたち学生が頼めば、きっとダムのキャットウォーク(狭い鋼製の通路)を歩けるわよ」と聞いた安部さんは、キャットウォークを「歩いてみたい!」という衝動に駆られます。そして、後日1人で車を走らせ、とあるダムを訪れて所長を出待ち。経緯を話し頼み込んだところ、ダム内に招き入れてくれて、現場ならではの話をいろいろと聞かせてくれたそう。

「所長さんに『ダムって、川下の人たちのために頑張ってつくるわけで、そのために川上にある村などを潰している。いわば、“都会のために田舎が犠牲になる”ということ。でも、都会の人たちはそれを知らない。そういうことをもっと知ってほしい』と言われて」と安部さんは当時のことを話します。それを機に、友達を集めては「ダムをはじめ、社会問題の現場にツアーで連れて行くというところから(Ridiloverの活動は)スタートした」と振り返ります。

そして、会社の事業としてツアーを組んで集客し参加者に学べる場を提供することで報酬をもらう、という仕組みづくりを確立します。現在では一般向けだけでなく「いま大きいのは、中高生の修学旅行。ほかに、企業も研修などで使いたがっている。社会問題の場に行くと、ある種モメンタム(勢い)が生まれる。人って、なにかをしたくなってしまうもの」と話します。

そして、ただツアーをして終わりではなく、「問題に対して、どれだけ多くの人が理解するか。また、それをわかったうえで関心を持ち続けて、最終的にはいかに解決まで持っていこうとするか。当事者では解決できないから社会問題になっているわけで、結局は第三者が関わるしかない」と声を大にします。

「社会のOSを変えていきたい」

現在、安部さんには「変えたいこと」がたくさんあると言います。「例えば“お金”。結局は、社会があって経済がある。税金と普通のお金はちょっと違う。つまり、“税金って、円でやる必要がないのでは?”って思う。社会的なアウトカム(結果や成果)みたいなものをちゃんと定義できるようになれば、円ではなく別の貨幣をつくって、それと民間の市場経済を競争させればいい。どっちのほうが効率的に社会的アウトカムを出せるかを競わせて、為替が動く仕組みをつくれば、随分と合理性が生まれるのではないか」と提案します。

なにかしらの問題と直面したとき、「誰かの問題が、みんなにとっての社会問題になるまでには時間がかかるし、解決するまでにも時間がかかる。だから泣き寝入りがしやすい。人は劣っているものを見つけるのが得意だから、問題は必ず生まれるもの。だからこそ私は、生まれてきた問題に対して早く解決できる仕組みを社会の側で用意できると思っている。そのため、社会問題が出てきたときに時間がかかることなく解決に進んでいく、(問題に直面している)当人が早く癒される状態にするというのが、やりたいことの1つ」と語ります。

続けて、「そのためには、お金(の仕組み)も変えなければいけないし、選挙制度も変えたいね」と安部さんの意欲は尽きません。

そんな安部さんが、いまの日本をみて思うことは、「日本は、“人・モノ・お金”のどれもある。だけど、それを適材適所に配置して解決へと進めていくためのオペレーションシステムのようなものがめちゃくちゃ古い。社会のOS(オペレーティング・システム)を変えていきたい!」と強調します。そうすることで、「人が社会に対してあきらめなくなる」と続けます。

さらには、「自分が問題に関わることによって、“社会が変わっていく”という実感値をすべての人が持てるようになっていかないと、現実的に民主主義が機能しない。それができるように、個人の主体性を担保できるような社会デザインをつくりたい」と熱く語っていました。

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<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mousou_tfm


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