谷山雅計さんと秋山具義さんが語る、第58回「宣伝会議賞」

10月1日、第58回「宣伝会議賞」の課題が発表されました。応募はこちらから『アドタイ』の本記事では、『宣伝会議』11月号の誌面から、一部を公開します。
コロナ下においての開催となる「宣伝会議賞」。そんな今年の社会状況を踏まえ、「宣伝会議賞」の最終審査員を務める谷山雅計氏と、ポスタービジュアルのアートディレクターを務める秋山具義氏に今年の制作コンセプトや、「宣伝会議賞」に挑戦する皆さんへのメッセージを聞きました。

—今年の制作コンセプトをお聞かせください。

秋山:今回のポスタービジュアルは背景に落ち着いた色を採用した代わりに、衣装を鮮やかにしました。これはコロナ禍でも「エネルギーを出していこう」という思いや、広告界の「再生」といった願いを表現しています。撮影の感想としては、今年のイメージキャラクターの南さんは圧巻でした。撮影される自分を客観的に見れているのでNGカットが全くと言っていいほどなかったのが印象的でした。すごい女優さんに成長する気がしましたね。

谷山:今年に限らず「宣伝会議賞」に応募する皆さんは、「絶対にグランプリを獲る」という気持ちを持ってトライしている方が多いと思います。応募者の方々が「宣伝会議賞」にかける強い意思が感じられるようなポスタービジュアルになったのではないでしょうか。

—コロナ禍というこれまでにない状況での開催となります。

谷山:まずは1カ月お待たせしましたということと、今年も開催できてよかったというのが第一の感想です。いまの世の中の広告コミュニケーションの傾向を見てみると、知恵をシェアすることで生み出されるケースも多いと思いますが、そもそもアイデアというのは、自分ひとりで絞り出すことも基本なのです。コロナ禍で人との直接的な接触が減ったり、社会環境が変化したりしましたが、「宣伝会議賞」に変化はありません。今まで通り100%の力で取り組むことができる賞です。この状況だからこそ、皆さん、広告コピーに思い切り力をかけてみてはいかがでしょうか(笑)。

秋山:コロナ禍での開催となる今年は、新たな言葉が生まれそうな予感がしています。今までこんなにも色々なことを考えた数カ月間はなかったので、コロナ禍の今年だからこそ生まれる言葉に期待したいです。

谷山雅計(たにやま・まさかず)氏

谷山広告 コピーライター。博報堂を経て1997年谷山広告設立。主な仕事に、東洋水産「マルちゃん正麺」、資生堂「TSUBAKI」、東京ガス「ガス・パッ・チョ!」、新潮文庫「Yonda?」、ユニリーバ「採用の履歴書から顔写真をなくします。」など。主な著作は『広告コピーってこう書くんだ!読本』、『広告コピーってこう書くんだ!相談室』(宣伝会議刊)。

 

秋山具義(あきやま・ぐぎ)氏

デイリーフレッシュ アートディレクター。1999年デイリーフレッシュ設立。広告キャンペーンやパッケージなど幅広い分野でアートディレクションを行う。主な仕事に、TOYOTA「もっとよくしよう。」、東洋水産「マルちゃん正麺」広告・パッケージデザイン、AKB48「ヘビーローテーション」、「さよならクロール」CDジャケットデザインなど。2018年より日本大学芸術学部デザイン学科客員教授。

 

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