朝日放送テレビ(ABCテレビ)は10月5日から18日にかけて、地上波テレビCMで市区町村別に内容の異なるコンテンツを放送する「プレアドレッサブルTV」の実証実験を行った。
「プレアドレッサブルTV」とは、CM放送中に視聴エリアごとに異なるテロップと二次元バーコードを画面上に表示し、視聴者をエリア別のランディングページへ誘導することで、収集した各種アナリティクスデータをスポンサーのエリアマーケティングに活用するというもの。
近年、折り込みチラシの発行部数減少により、代替する手段で市区町村単位でのターゲティング広告やエリアマーケティングをより正確に、効果的に行いたいというスポンサーの課題があったという。視聴エリア別に異なるテロップを放送画面上に表示する技術と、エリア情報が含まれたURLの二次元バーコードを受像器内で生成する技術を組み合わせた新たな手法で、CMの放送と同時に任意の地域限定でクーポンやチラシなどを配布したり、市区町村ごとのアナリティクスデータを収集したりすることが可能になる。
同社は今後、視聴者特性に応じたテレビCMを個別に届ける「アドレッサブルTV」と呼ばれる次世代のテレビ広告分野の知見を深め、近年複雑化するスポンサーニーズに即した地上波放送の新たな広告商品の開発を目指すとしている。
プレアドレッサブルTVの仕組み
■実証実験期間
2020年10月5日〜18日
■実証実験内容
・ABC開発が運営する住宅展示場「ABCハウジング」の60秒CMを期間内に計24回放送。
・CM放送時、データ放送を用いて、テレビ受像機に設定されている視聴エリア情報を取得し、市区町村単位のエリア別ランディングページ(以下「LP」)のURL情報を含んだ二次元バーコードを受像機内にて自動で生成。14パターンの来場者プレゼント情報テロップと二次元バーコードを放送画面上に表示。
・視聴者が二次元バーコードからアクセスしたLPには、最寄りの住宅展示場など、視聴エリアごとにローカライズされた情報を掲載。
■収集データ
・Google Analyticsを用いてエリア別LPへの流入状況やサイト内でのユーザーの行動データを取得。※今回の実証実験で個人を特定できるデータは使用・収集は含まない。
■収集データを活用したマーケティング分析結果を広告主へ提供
分析例1:CM放送枠ごとのLP流入数と、ビデオリサーチのアクチュアル個人視聴率データや、推定視聴台数データから興味関心が高い視聴者層を解析。
分析例2:エリア別LPへの流入数をもとに、人口比や推定視聴台数比のコンバージョン率から住宅展示場に興味関心が高いエリアを市区町村単位で解析。