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尾形真理子
Tang
クリエイティブディレクター/コピーライター
2001年博報堂入社、2018年Tang 設立。企業のスローガン開発、ネーミング、ブランディングコミュニケーションの設計をはじめ、数々の広告制作を手掛ける。主なクライアントに、SHISEIDO、LUMINE、KIRIN、NISSAN、FUJITSU、Tiffany&Co.など。TCC賞、ACC賞、朝日広告賞グランプリなどをはじめとして、受賞多数。その他、小説、コラムや歌詞なども執筆。
コピーを書こうとして、まったく書けない時ってありますよね。
わたしはよくあります。考えているつもりで窓の外を眺めていたり、書かなきゃと思いながら漫画を読み始めたり、目も当てられません。やる気がないわけじゃないのに。わたしだけでしょうか。
しかし最近ようやくその理由がわかりました。なにを書けばいいのかが、自分自身がわかってないのです。どうやったら売れるのか、どうやったら好意度が上がりそうなのか、自分の中に具体的な道筋のイメージがないままにコピーを書こうとしている。つまりは、勝ちを期待できる作戦が見えていない。
たとえば、さして自分が興味のない本や音楽のレビューを書くのはしんどいです。しんどいわりにやたら時間がかかる。それはやっぱり「なにをオススメするのか」を、自分の中で掴めてないからだと思います。逆に「推しどころ」を掴めているもののレビューならば、スムースに書けた経験があるのではないでしょうか。
コピーも同じなのだと思いました。当たり前のようですが、まずは「何を考えたらいいのかを考える」。勝ちにいけそうな道筋が見えるまで考える。これから自分が書くコピーは、なんのための言葉なのかをクリアにする。勝てる作戦を実装したコピーは、自ずと力を持ちます。そして何より、何よりも、コピーを書くのが楽になります…(笑)
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