第3回 世界初のクラフトコーラ専門メーカー「伊良コーラ」(後編)

合言葉は「コカ・ペプシ・イヨシ」

嶋野:逆に自分の中で飽きちゃうっていう心配はないですか。
 
小林隆英:今のところはなくて。目標が明確なので、そこに行くまではたぶん飽きないっていうのと。あとは、経営っていう意味で、すごい自分に経験したことがないような大変なことばかりが起こっていて。ビジネス的におもしろさっていうのは感じていますね。フェーズによって全然おもしろさが違いますね。
 
嶋野:三大ってちょっと意外だったんですけど。オンリーワン方式をずっと狙われるのかなと思ったんですけど、わりと規模(を狙っているよう)にも見えたんですよ。コカ・ペプシ、って。そこは別に自分の中では違和感なく?
 
小林隆英:もうそれこそ世界一ぐらいの勢いで考えていて。っていうのはなぜかというと、売り上げって、幸せとか感謝の等価交換だと思っているんですよね。売り上げがめちゃくちゃ大きいっていうことは、世の中により多くの幸せ、ポジティブな効果を与えているということなので。売上のために売上を伸ばすんじゃなくて、あくまで指針として、めちゃくちゃ売り上げを伸ばそうっていう考え方ですね。世の中にどれだけインパクト、ポジティブな効果を与えられるかっていう。

 

尾上:目標が大きいですね。「コカ・ペプシ・イヨシになる」って掲げていますね。

嶋野:すばらしいですね。

尾上:なかなか言えないですよね。

嶋野:うん。

尾上:クラフトコーラっていうと、オンリーワンに行きそうなものなのに。おもしろいですよね、その設定の仕方は。

嶋野:初めは「すごいことをおっしゃるな」と思ったんですけど、たとえば芸能人の世界とかで考えるとわかるな、と。今だと新垣結衣さんとか長澤まさみさんとかのすごい女優さんがいらっしゃって、テレビとか映画から出てらっしゃった。次のそれくらいの人気あるスターって、本当にYouTuberから出るって言われてもあんまり違和感がないじゃないですか。

尾上:ないですね。

嶋野:だから次のすごいブランドって、まさに個人から出てもおかしくないって思って。あながちすごい大きい夢とは思えない、現実的に考えてるんじゃないかなって思って、感動しましたね。

尾上:たしかに、そうですよね。もともとすごいブランドってひとりから始まってますもんね。その始まりにも見える。

嶋野:もしかしたら立ち会ってるのかもしれないですね。その瞬間に。

尾上:そうですね。そういった感じでこう、ブランドのイメージを、ビジョンが明快で、世界一になるっていう設定も、「コカ・ペプシ・イヨシ」というのもキャッチーでいいなと思うんですけど、とはいえプロモーショナルに商品をどう広めるか、という話も聞いてみたりしました。

次ページ 「もともとの商品の価値を高める「知られ方」」へ続く

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嶋野裕介、尾上永晃
嶋野裕介、尾上永晃

嶋野裕介(電通CDC クリエーティブディレクター/PRディレクター)しまの・ゆうすけ/東京大学を卒業後、電通入社。大阪出身なのに関西弁がとても下手。主な仕事はトヨタ自動車「TOYOTA #金曜日の新垣さん」、ソフトバンク「SoftBank 企業広告シリーズ(2019〜)」「民放114局合同番組 一緒にやろう2020」「3cm market」「フリー素材アイドルMIKA+RIKA」など。Cannes Lions、Spikes Asia、Adfest、ADC、ACC、OCCなど受賞。趣味は“新聞”を読むこと(好きなコラムは「窓」と「折々のことば」)。/尾上永晃(電通 プランナー)おのえ・のりあき/2009年電通入社の平社員。企業広告からまちづくりまで臨機応変なコミュニケーション設計をしている。最近の主な仕事は、ネットフリックス「リラックマとカオルさん」、スクウェア・エニックス「ドラゴンクエストウォーク」、日清食品「チキンラーメン アクマのキムラー」、東急電鉄「池上線フリー乗車デー」、宮本浩次「宮本独歩」など。ACC、Adfest、電通賞グランプリ、TCC新人賞やCannes Lions、文化庁メディア芸術祭など受賞。散歩ばかりしている。

嶋野裕介、尾上永晃

嶋野裕介(電通CDC クリエーティブディレクター/PRディレクター)しまの・ゆうすけ/東京大学を卒業後、電通入社。大阪出身なのに関西弁がとても下手。主な仕事はトヨタ自動車「TOYOTA #金曜日の新垣さん」、ソフトバンク「SoftBank 企業広告シリーズ(2019〜)」「民放114局合同番組 一緒にやろう2020」「3cm market」「フリー素材アイドルMIKA+RIKA」など。Cannes Lions、Spikes Asia、Adfest、ADC、ACC、OCCなど受賞。趣味は“新聞”を読むこと(好きなコラムは「窓」と「折々のことば」)。/尾上永晃(電通 プランナー)おのえ・のりあき/2009年電通入社の平社員。企業広告からまちづくりまで臨機応変なコミュニケーション設計をしている。最近の主な仕事は、ネットフリックス「リラックマとカオルさん」、スクウェア・エニックス「ドラゴンクエストウォーク」、日清食品「チキンラーメン アクマのキムラー」、東急電鉄「池上線フリー乗車デー」、宮本浩次「宮本独歩」など。ACC、Adfest、電通賞グランプリ、TCC新人賞やCannes Lions、文化庁メディア芸術祭など受賞。散歩ばかりしている。

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