第3回 世界初のクラフトコーラ専門メーカー「伊良コーラ」(後編)

もともとの商品の価値を高める「知られ方」

尾上:それで、プロモーショナルな部分についてお伺いしたいんですけど。ご自身のブランドがどんどん固まってきている中で、それをみんなに知ってもらうためのいろいろやられていると思うんですけど。どういったことをやっていこうとか、何を意識されているんですか。
 
小林隆英:結局コアとなるおもしろいことを考えていれば、注目してもらえるっていうのは思っていて。今考えているのは、コーラの木を日本で育てようと。それは単純にやりたいからやるんですけど、それで興味を持ってくださる方っていると思うので。広げるためにそういうことをやるんじゃなくて、おもしろいと思ったからやる、それに尽きるのかなっていう。

 
尾上:ものすごいプロモーショナルなことをやっていると言うよりは、そもそもコアになる、商品に一番近い部分の、おもしろいことをやっていくことが(商品を広めることに)つながるんだろうという考え方ですよね。コーラの木というのは、下落合のこの(伊良コーラの)工房にもコーラの実が置いてありましたが、実際に海外まで行って買ってきたりしてるんですよね。コーラの木を日本で育てるというやり方って、昭和とか、そういう時代のばくっとした、ものすごい目立つことをいきなりやるっていうプロモーションに近い印象を得まして。インパクトあるじゃないですか

嶋野:はい。

尾上:めちゃくちゃインパクトあるし、「こういうものから、コーラはできているんだ」という印象も作れますし。品質っていう側面でもブランディングにつながっていきそうだなって思いまして、すごい正しい手法。自分じゃ考えつかないことを自然にやっているのが感銘受けましたね。

嶋野:そう思います。

尾上:プロモーションというと、とかく商品とちょっと遠いところで広めるとかになりがちなんですけど、結局は商品の価値を高めることに全部寄与していたほうがいいはずで。そっちがんばったほうが結局広まるよねっていうのもひとつ、知られ方として大事なポイントなのかもですね。

コーラの木から採取できる、コーラの実

嶋野:SNSとかで広がっていく時代だからこそ、貫くのがより強くなっていくというか、親和性がすごい高いんじゃないかなって思いました。

尾上:原液を濃くすれば誰かが広めてっていう。

嶋野:ちょっとその、飲料の話で原液を濃くするってどっちの話かわからなくなる。

尾上:ちょっとかけました、ちょっと。

嶋野:かけたの!?

尾上:イメージを。コーラの話で原液を濃くする。

嶋野:尾上は、たとえ話は昔から、不思議なたとえ話ばっかしだもんね。

尾上:広告はたとえの仕事ですからね。よくたとえをしております。

嶋野:とはいえですね、伊良コーラの方々も知られるために、工夫というわけではないけど、やっていることはあるので、それも面白かったので、ぜひお聞きください。

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嶋野裕介、尾上永晃
嶋野裕介、尾上永晃

嶋野裕介(電通CDC クリエーティブディレクター/PRディレクター)しまの・ゆうすけ/東京大学を卒業後、電通入社。大阪出身なのに関西弁がとても下手。主な仕事はトヨタ自動車「TOYOTA #金曜日の新垣さん」、ソフトバンク「SoftBank 企業広告シリーズ(2019〜)」「民放114局合同番組 一緒にやろう2020」「3cm market」「フリー素材アイドルMIKA+RIKA」など。Cannes Lions、Spikes Asia、Adfest、ADC、ACC、OCCなど受賞。趣味は“新聞”を読むこと(好きなコラムは「窓」と「折々のことば」)。/尾上永晃(電通 プランナー)おのえ・のりあき/2009年電通入社の平社員。企業広告からまちづくりまで臨機応変なコミュニケーション設計をしている。最近の主な仕事は、ネットフリックス「リラックマとカオルさん」、スクウェア・エニックス「ドラゴンクエストウォーク」、日清食品「チキンラーメン アクマのキムラー」、東急電鉄「池上線フリー乗車デー」、宮本浩次「宮本独歩」など。ACC、Adfest、電通賞グランプリ、TCC新人賞やCannes Lions、文化庁メディア芸術祭など受賞。散歩ばかりしている。

嶋野裕介、尾上永晃

嶋野裕介(電通CDC クリエーティブディレクター/PRディレクター)しまの・ゆうすけ/東京大学を卒業後、電通入社。大阪出身なのに関西弁がとても下手。主な仕事はトヨタ自動車「TOYOTA #金曜日の新垣さん」、ソフトバンク「SoftBank 企業広告シリーズ(2019〜)」「民放114局合同番組 一緒にやろう2020」「3cm market」「フリー素材アイドルMIKA+RIKA」など。Cannes Lions、Spikes Asia、Adfest、ADC、ACC、OCCなど受賞。趣味は“新聞”を読むこと(好きなコラムは「窓」と「折々のことば」)。/尾上永晃(電通 プランナー)おのえ・のりあき/2009年電通入社の平社員。企業広告からまちづくりまで臨機応変なコミュニケーション設計をしている。最近の主な仕事は、ネットフリックス「リラックマとカオルさん」、スクウェア・エニックス「ドラゴンクエストウォーク」、日清食品「チキンラーメン アクマのキムラー」、東急電鉄「池上線フリー乗車デー」、宮本浩次「宮本独歩」など。ACC、Adfest、電通賞グランプリ、TCC新人賞やCannes Lions、文化庁メディア芸術祭など受賞。散歩ばかりしている。

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