もともとの商品の価値を高める「知られ方」
尾上:それで、プロモーショナルな部分についてお伺いしたいんですけど。ご自身のブランドがどんどん固まってきている中で、それをみんなに知ってもらうためのいろいろやられていると思うんですけど。どういったことをやっていこうとか、何を意識されているんですか。
小林隆英:結局コアとなるおもしろいことを考えていれば、注目してもらえるっていうのは思っていて。今考えているのは、コーラの木を日本で育てようと。それは単純にやりたいからやるんですけど、それで興味を持ってくださる方っていると思うので。広げるためにそういうことをやるんじゃなくて、おもしろいと思ったからやる、それに尽きるのかなっていう。
尾上:ものすごいプロモーショナルなことをやっていると言うよりは、そもそもコアになる、商品に一番近い部分の、おもしろいことをやっていくことが(商品を広めることに)つながるんだろうという考え方ですよね。コーラの木というのは、下落合のこの(伊良コーラの)工房にもコーラの実が置いてありましたが、実際に海外まで行って買ってきたりしてるんですよね。コーラの木を日本で育てるというやり方って、昭和とか、そういう時代のばくっとした、ものすごい目立つことをいきなりやるっていうプロモーションに近い印象を得まして。インパクトあるじゃないですか
嶋野:はい。
尾上:めちゃくちゃインパクトあるし、「こういうものから、コーラはできているんだ」という印象も作れますし。品質っていう側面でもブランディングにつながっていきそうだなって思いまして、すごい正しい手法。自分じゃ考えつかないことを自然にやっているのが感銘受けましたね。
嶋野:そう思います。
尾上:プロモーションというと、とかく商品とちょっと遠いところで広めるとかになりがちなんですけど、結局は商品の価値を高めることに全部寄与していたほうがいいはずで。そっちがんばったほうが結局広まるよねっていうのもひとつ、知られ方として大事なポイントなのかもですね。
嶋野:SNSとかで広がっていく時代だからこそ、貫くのがより強くなっていくというか、親和性がすごい高いんじゃないかなって思いました。
尾上:原液を濃くすれば誰かが広めてっていう。
嶋野:ちょっとその、飲料の話で原液を濃くするってどっちの話かわからなくなる。
尾上:ちょっとかけました、ちょっと。
嶋野:かけたの!?
尾上:イメージを。コーラの話で原液を濃くする。
嶋野:尾上は、たとえ話は昔から、不思議なたとえ話ばっかしだもんね。
尾上:広告はたとえの仕事ですからね。よくたとえをしております。
嶋野:とはいえですね、伊良コーラの方々も知られるために、工夫というわけではないけど、やっていることはあるので、それも面白かったので、ぜひお聞きください。