※本記事は株式会社マスメディアンの『advanced by massmedian』に掲載された記事を表示しています。
SNSフォロー数も「ミニマル」
持ち物を減らし、必要最低限のモノで暮らすミニマリストとして活動している澁谷さん。現在、どのくらいの量のモノに囲まれて生活しているかというと、「ベッドもなく寝袋で寝ていて、持ち物は大体200個くらい。ビジネスホテルに置いてあるモノが150個くらいと言われているので、コンパクトなビジネスホテルにプラスアルファしたくらいのイメージ」と話します。そして、そんな自身のライフスタイルぶりをSNSなどで発信しています。
そんな澁谷さんが、コロナ禍のいま気にかけているキーワードは、「情報疲れ」。実際、YouTube公式チャンネル「ミニマリストしぶ」の視聴者からは「テレビをなくしました」という声がけっこう届いたと言います。
というのも、ニュースやワイドショーなどでは新型コロナウイルスの新規感染者数やコロナにまつわる情報が連日取り上げられています。そのことから、「ネガティブな情報が入ってきやすく、鬱っぽくなってしまうので観たくない。だから、これを機に思い切って減らしてみた」とリアルな声を紹介。そうなると、どこから情報をインプットしているのかといえば、「スマートフォンから自分が必要な情報だけ、自分から拾いにいくスタイル」と話します。
そんな澁谷さんの公式Twitterや公式Instagramにおいて、ハヤカワさんが関心を示したのは、(澁谷さんが)フォローしている人の数が「ゼロ」であること。「“そこもミニマル(必要最小限)なんだ”と衝撃を受けた」と話します。
自分から情報を見に行くとき用に別のアカウントを持っていて、発信用で活用している公式のSNSとの棲み分けをしているという澁谷さん。「フォロー欄からその人の人間関係がすごく垣間見られる。それはSNSのいいところであると同時にデメリットも多い」と指摘します。
一緒に仕事をした人と互いのSNSをフォローし合う人も多くいますが、「フォローしないからといって決してその人のことが嫌いというわけではない。僕は、人のSNSを見るにあたって、その人のプライベートにはそこまで興味がない。気になったニュースのシェアやライフハック(スマートな仕事術)につながるような情報などを得たいので。フォローしているかしていないかで、人間関係を考えること自体がイヤなんです」と話します。
「3つだけしかモノを置かない」
スマートフォンの普及に伴い、「これ1つでなんでもできるようになった。シェアリングサービスも使えて、自分がモノを所有しなくてもよくなり、ミニマリストとして生活しやすい環境になった。それゆえに、そこから大量の情報が入ってくることで、『情報疲れ』を起こしてしまっている」と澁谷さんは自身の考えを話します。そんな情報であふれる社会において、最近では「デジタルから距離を置こう、という風潮を少し感じている」と実感を語ります。
コロナ禍で不要不急の外出を控えざるを得ない状況下とあって「自宅で仕事ができるように環境を整えた」という澁谷さん。これまでデスクのない生活をしてきましたが、仕事用にスタンディングデスクを購入したそう。そのデスクの上には「3つだけしか、モノを置かないと決めている」と言います。
それは、MacBook、(ノート用の)ペン、コップの3つです。ミニマリストの生活に欠かせないスマートフォンは、「置こうと思えばもちろん置ける。だけど、置いて視界に入ってしまうと、そこに意識が持っていかれてしまう。なので“(デスクから)離れたところに置いて(仕事中は)視界から外す”というのは決めている」とマイルールを明かします。
また、「音が鳴る通知はすべて切っている。“LINEが何通届いています”などの赤いバッジも全部(設定を)オフにしている。基本、自分からスマートフォンを触りにいかないかぎり、なにも情報が入ってこない形にしている」とも話しました。
「ベーシックインカム」にも興味
澁谷さんがミニマリストとしての生活を始めて5年。「お金から自由になりたい」という思いをモチベーションに持ち物を減らし、少ないお金で1人暮らしをスタートしたところからミニマリストとしてのライフスタイルが始まりました。そんな澁谷さんは最近、「地方であれば月7万円もあれば、意外とストレスのないくらいの生活ができる」と気づいたそう。
その一方で、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、生活が一変。この状況に対して、「失職したり、経済的に不安定だったり、みんな結構お金に困っている。『働かざる者食うべからず』という考えも、時代に合っていないのではないか」と主張します。
現代社会は、「100円ショップやファストファッションなどもあって、安くてそこそこいいモノが手に入りやすい。エンタメも『Amazon Prime Video』や『Netflix』など(定額制動画配信サービス)を使えば、逆にお金よりも時間のほうが足りないくらい、時間をつぶすようなモノが簡単かつ安く手に入る。だから、ひと昔前の月7万円と、令和の月7万円では幸福度がだいぶ違うと思う」と自身の考えを主張します。
また、政府がすべての国民に対して、生活に最低限必要な現金を毎月支給する制度「ベーシックインカム」にも関心を寄せていると、話を続けます。「コロナをきっかけに失業者とかも増えたので、ドイツでは約15万円(毎月1,200ユーロを3年間)配っている。ほかの国も金額はまちまちですが、(日本の場合だと、)大体10万円前後を配って“最低限の生活水準は国が保障するから、それ以上の生活をしたければ働いてください”という感じだったと思います。
スマートフォンも三大キャリアではなくても、格安SIMなら月2,000円くらいあれば所有することができる。そのようなミニマリストの考え方があれば、国が(ベーシックインカムで)配る10万円前後のお金だけで働かずにやっていける人が増えると思う」と推察します。
総じて、「モノを減らしてミニマルに暮らすというのは、生活コストに直結してくるので、働かないと食っていけないという考え方は“しんどい”ってすごく思いますね」と語りました。
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<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mousou_tfm
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