日本史は勝った方が牛耳る世界、昔も今も変わらない現実に魅かれた
澤本:松村さん、歴史がお詳しいけど、きっかけはあるんですか?
松村:日曜日20時は家族みんなでNHKの大河ドラマを見ていました。おじいちゃんが歴史好きで。大河ドラマを見て、「どっちが悪者?どっちどっち?」と親に聞いたら、いいも悪いもないって。勝った方が官軍、負けた方が賊軍。勝った方が世の中を牛耳って、負けた方を裁くんだと。これが歴史なんだと。
澤本:うん。
松村:桃太郎が10人も20人も斬るようなことは考えられない。桃太郎だって3人目に刺される場合もあるんだ、桃太郎侍にしても刺される場合もある。だから、勝った方が負けた方を裁くんだ。それがちょっと新鮮で面白かったんですよね。
今の世の中も勝った方が負けた方を裁くし、組織も何か、大きな組織が小さい組織を裁いているようなね。だから本当いうとそっちの物差しはよくないんだけど、これが現実なんだなぁと思って。徳川が豊臣を倒したら、徳川が裁判をして豊臣を裁くって。勝った方が負けた方を裁くっていう日本の歴史がなんか好きで。頼朝が平家の世の中でクーデターを起こしたんだけど、クーデターが勝っちゃうとこれは革命なんだと。
澤本:うんうん。
松村:事務所でも、独立して潰されるとクーデター失敗っていうことになるんだけど、勝っちゃったらこれはもう革命なんですよね。乱ってのは、鎮圧されるから乱なんだなっていうのを思いました。
中村:あー確かに。
松村:平将門の乱って何だろうと思ったら、平将門が結果的に鎮圧されたから、『風と雲と虹と』(NHK、1976年1月放送の大河ドラマ)は「乱」と表現される。「乱」って結局、大塩平八郎の乱もそうだし、応仁の乱もある。いろんな乱があると思うんですけど、結局、国に鎮圧されるから乱なんですよ。だからこないだ極楽とんぼの加藤くんが、加藤の乱って、自分の会社の闇営業をずっと暴いていたけど、「加藤の乱ですね」って言われているってことは、組織に鎮圧されるんで……。
澤本:そっか。うんうんうん。
松村:加藤の乱って言ったら『(3年B組)金八先生』(TBS、1979年~2011年)の「加藤優の乱」で始まり……。
一同:(笑)。
松村:やっぱり加藤浩次さんから紘一さんのね、加藤の乱からありますので。『風と雲と虹と』では平将門の役を加藤剛さんがやっていたから。
一同:(笑)。