【前回コラム】「コピーライターを目指すための挑戦が、コピーライターを諦める理由になりませんように。」はこちら
国井美果
フリーランス
コピーライター
社内外をつなぐさまざまな言葉やアイデアで企業活動に関わりながら、ブランディングから絵本まで幅広く手掛ける。コーポレートメッセージの仕事として「一瞬も一生も美しく/資生堂」「ひとりの商人、無数の使命/伊藤忠商事」「よろこびがつなぐ世界へ/キリン」「見たい、が世界を変えていく。/日本テレビ」などがある。ADC賞、TCC賞、日経広告賞大賞など受賞多数。ライトパブリシティを経てフリーランス。
宣伝会議賞、前回の応募総数約60万点。改めてその数に驚きつつ思うのは、
コピーの審査のときに感じる「出会う」という感覚。
何千・何百のコピーの中にあっても、ふわっと光っている言葉は必ずある。
言葉と目が合うその瞬間、その出会いをつくるために、
私も日々、ネチネチネチネチとコピーを考え続けております…。
なぜ出会えるのか、それは単純に、他と似ていないからだと思います。
どんなに考えても結果的に他と似たり被っていたら、見る人の目はすべってしまう。
ときに、人は結局は見た目だ、という意見があります。
美形かそうでないかという造りだけでなく
その人の持ち合わせる情報・・・本質や願望や様々なことが、
あらかた表出しているのが見た目なんだろうと思うのです。
その見た目が、最初の出会いを作っているわけで。
そういう意味ではコピーという文字配列も、
パッと目に飛び込んできた印象がすべて。
いくらどんなに深い考えが背後にあっても、出会い頭に決まります。
見た瞬間に「他とは違うな」「好き」「会いたかった」という魅力があるかどうか。
出会いを引き寄せるには、
まずはその見た目が誰かと似ていないか。というのはやっぱり大きい。
発想や言葉が、ありがちでなく、ないがち(亀田誠治さんと椎名林檎さん曰く)。
伝わり方の詰めも大事だと思います。言葉選び、長短、読後感…。
ディテール、といえばそういう話のようで、
どう受け取られたいかという、コミュニケーションの大切な部分だと思っています。
出会いの確度、上げていきましょう。
そしてどうか、いま書かれているそのコピーと出会えますように。
第58回「宣伝会議賞」協賛企業のアドバイス掲載!
今年で第58回を迎える「宣伝会議賞」は、「コピーライターの登竜門」として長年にわたり、若手のクリエイターやクリエイターを目指す方々に活躍の機会を提供してまいりました。前年度は62万点以上の作品応募があるなど、日本最大規模の広告賞となっています。クリエイティブ能力に自信のある方も、力を試してみたい方も、自分の新たな可能性を発見するチャンスです。