コンセプトの「見える化」で地域には新しい市場を生みだすチャンスが広がっている!

名で体を表せ! コトバが新しい市場をつくる

地域発のブランドづくりとして、「ストロングニッチ開発を」と訴えてきたが、ニッチということはまだ世にあまり知られていない、という状況からのスタートである。

ニッチとして市民権を獲得する方法として、カテゴリー創造は有効なアプローチである。「コンビニコーヒー」「コンビニスイーツ」「デパ地下」「デザイナーズマンション」「ドクターズコスメ」「第三のビール」などなど、コトバが新しい市場を作っていくと言っても過言ではない。新しい市場とは“新しい概念=コンセプト”である。お客様の心に刻まれることで新しい市場は立ち上がっていくのである。

この”新しい概念=コンセプト”を見える化(言語化やデザイン化)することで、そのコンセプトは人々の記憶に浸透し刻まれていく。そして、それは社外だけではなく、社内の仲間にも浸透し、大きな力となっていく。

図①に示す通り、コンセプトは対外的な効果と対内的な効果を持つ。対外的には「お客様への約束」を伝え、選ばれる基準となることで、新しい市場/カテゴリーを開拓していく。加えて、対内的には、組織メンバーの目標や羅針盤となり、それによって組織の絆を高める作用を持つのである。そして、組織力を強化していく。

図① コンセプトが持つ効果

だからこそ、コンセプトを「見える化(言語化、デザイン化)」することが、重要なのである。想いや理念を独自のコトバや形で表すことで、物語が凝縮し、ブランドがフォーカスしていく。そうすると強い伝達力となっていくのだ。

地域にあっても、ブランドコンセプトをしっかりと「見える化」することができれば、市場を切り拓き、ストロングニッチとして世界へも通用する、「Brand Focus, Market Wide」が可能なのである。

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丸山 泰(熊本県立大学総合管理学部 教授 地域連携政策センター長マーケティングアナリスト)
丸山 泰(熊本県立大学総合管理学部 教授 地域連携政策センター長マーケティングアナリスト)

日用品メーカーであるライオンでマーケティング職に25年以上従事し、2013年から現職。リサーチャー、ブランドマネージャー、事業部長など様々な立場でのマーケティング経験を活かし、学生とともに地域の課題解決にマーケティング発想で取り組む。共著に、『マーケティング部管理者の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)、『地方創生への挑戦』(中央経済社)など。

丸山 泰(熊本県立大学総合管理学部 教授 地域連携政策センター長マーケティングアナリスト)

日用品メーカーであるライオンでマーケティング職に25年以上従事し、2013年から現職。リサーチャー、ブランドマネージャー、事業部長など様々な立場でのマーケティング経験を活かし、学生とともに地域の課題解決にマーケティング発想で取り組む。共著に、『マーケティング部管理者の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)、『地方創生への挑戦』(中央経済社)など。

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