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「広告のその先」の変革が求められる
「ハフポスト日本版」では2020年の国際的なトピックのひとつ「Black Lives Matter」をはじめ、人権問題に企業がどう向き合うかを追いかけている。
ムーブメントが広がっていった6月にはアメリカの企業の動きをまとめ、編集部の生田綾氏は「Black Lives Matterに賛同する『メッセージ』だけでは足りない。アクションと変革を求められる米企業」(6月23日)という記事を書いた。
企業による広告やSNSを通じた意思表明が広がるなか、生田氏は記事中で以下のように指摘した。
そうした対応が『偽善的』だとする指摘もある。多くの企業がアメリカ社会に蔓延る白人至上主義や黒人差別に反対を示しながらも、その内側では実態が伴っていないためだ
この記事を通じて、「社内のダイバーシティへの対応や、役職者の人種・性別の比率は旧態依然のまま。体制を見直すところにメスを入れている企業かどうかを見ていくべき」という提言となっている。
同様の問題意識から、国内では大坂なおみ選手のスポンサー企業14社に「大坂さんが人種差別や暴力に抗議するメッセージの発信や内容についてどう思うか」について一斉調査した記事(10月1日)も手がけた。
国内の広告の好事例として読者の反響を集めたのは、貝印の広告「#剃るに自由を」(8月22日)。体毛について意見を発信している海外のセレブリティの話題も交えてニュースとした。
編集部の南麻理江氏は「刃物メーカーが『剃らなくてもいい』というのはある種自己否定的で、自社の事業そのものを見直して消費者に選択肢を見せている広告だと思いました。消費者には選ぶ力があると信頼している、という姿勢も伝わります」と話す。
広告メッセージの開発だけでなく、その先で企業がどう行動を変革し、姿勢を示すか。それは組織や商品自体を見直すことにもつながる。2021年はますます、広告の“一歩先”が求められる流れもありそうだ。
2020年「ハフポスト日本版」注目の記事
※日付は記事の掲載日
〇Netflix
『#BlackLivesMatter』企業も黒人差別に抗議、力強いメッセージ続く Netflix「私たちには声を上げる義務がある」(5月31日)
〇Black Lives Matterに対応する米企業の動き
Black Lives Matterに賛同する「メッセージ」だけでは足りない。アクションと変革を求められる米企業(6月23日)
〇大坂なおみ選手のスポンサー企業14社調査
大坂なおみが語った「スポンサー企業失う恐怖」企業側はどう答えた?【14社調査】(10月1日)
〇LUSH
LUSHが商品名を変更へ。「東方美人」「乙女の戦士」「パパの足」など、多様性への配慮で(10月27日)
〇ジョンソン・エンド・ジョンソン
多様な肌の色にあうバンドエイドが販売へ。「遅すぎる」と訴える声も(6月13日)
〇貝印
「#剃るに自由を」 貝印のバーチャルヒューマンの広告が問う、“体毛に縛られない”生き方(8月22日)
〇P&G(PANTENE)
「この髪が私です。」トランスジェンダーの元就活生が登場する新聞広告がTwitterで反響を呼ぶ(9月30日)
〇ローソン(PBの新デザイン)
ローソン社長、PB新パッケージを一部変更へ 賛否の声に「公共性あるコンビニとして解決していく」(6月10日)
『ブレーン』2021年1月号 目次
【特集1】
2020年を総括 ニュースを生み出したクリエイティブ
・2020年のコミュニケーションプランニング
企業の人格の先にニュースは生まれる
島津裕介×多賀谷昌徳×砥川直大×畑中翔太×花田礼
・SmartHR「ハンコを押すために出社した。」
・Netflix「カミングアウト・デー ブランドキャンペーン」
・WWFジャパン
・FGO PROJECT5周年記念企画チーム「under the same sky」
・大阪・関西万博ロゴマーク
・増えるPRプランナー 広告制作における役割は?
・Webメディア編集部の視点「ニュースを生み出す広告」その共通項とは?
ねとらぼ/BuzzFeed Japan/ハフポスト日本版
・PR×クリエイティブ 海外の潮流と日本の現在地
文:井口 理(電通パブリックリレーションズ)
【青山デザイン会議】
2021年“ソーシャルグッド”のその先へ
・アフロマンス
・今井了介
・小谷なみ
【第8回BOVA 協賛企業からのワンポイントアドバイス】