伊勢半のコーポレートブランドである「KISSME」は、ブランドメッセージ「私らしさを、愛せる人へ。」を体現するプロジェクトとして「会ったことあるのに、はじめまして。」と題した写真展を、12月7日から東京・表参道駅のADウォールで開始。同時に、ドキュメンタリームービーを公開した。
新型コロナウイルス拡大に伴い、私たちの生活に定着したマスク着用。それによって、表情が伝わらないという社会不満が顕在化しつつある。伊勢半が今年11月に20代~50代の全国の女性601人に行なった「ニューノーマル時代のリップメイク」に関する意識調査」の「ここ半年のマスクコミュニケーションにまつわる困ったこと」の上位には、「相手の表情が読みにくくなる」が挙がったという。こうした背景から生まれたのが、本企画だ。
「当初は、新商品『キスミー リキッドリップシールド』の発売に合わせ、同ブランドの価値をどのように伝えていくかというお題でした。本企画のきっかけとなったのは、クライアントの部長さんが、あるお母さんのマスクに関する投稿をSNSで見つけたことでした」と、クリエイティブディレクター 吉川隼太さん。
「学校でマスクをしていると友だちができない」と困っていた男の子。ある日、先生が「一回マスクをはずして、お互いに目を見てあいさつしてみましょう」と提案してくれて、やってみると、意外にも仲良くなれたらしい、という母親からの投稿だった。
「マスク着用が定着する一方で、本当の表情が伝わらないことによって、新しい社会問題も生まれているのではないか。確かに目だけじゃちょっとした寂しさは伝わりきらないし、目だけじゃ爆笑が伝わりきらない。口元がコミュニケーションに果たす役割は大きいのではないかと、改めて気づきました」。
そこで、メイクブランドであるKISSMEとしてこの問題を提起し、“時折訪れる、マスクをとった瞬間”の笑顔で自分らしくいてほしいという想いを伝えると共に、口元に宿るコミュニケーションの価値をいま一度世の中に発信しようと考えた。
この企画では「マスク姿は見たことがあるが、マスクをはずした姿を見たことがない」人同士をキャスティング。実際にマスクをはずした本当の姿で会ってもらう瞬間を切り取ったドキュメンタリーとして、写真展とムービーを企画した。
出演したのは、バイト仲間、塾の先生と生徒、美容師とお客さん、保育園の先生同士、主婦と近所のキッチンカーの店員さん、ゼミの同級生など。リアルにこだわりたいと考え、チームメンバーで探し出し、キャスティングしたという。
表参道の写真展では、フォトグラファー 高橋マナミさんが6つのシーンを切り取った写真を、本企画のステートメントと共に展示。
また、ムービーには年齢も職業も違う4組が出演。映像には、バンド「YOASOBI」のikuraとしても活動するシンガーソングライター 幾田りらさんが「会う」をテーマに書き下ろした新曲「ヒカリ」を使用している。ドキュメンタリームービーの演出は、宮本正樹さん。
「現在のコロナの状況を踏まえると、本当にいまローンチすべきかどうかという議論はあると思います。ですが、医療や旅行業界だけではなく、メイク業界も打撃を受けているという事実があります。だからこそ、この2020年の締めくくりである12月に、口元が見えるコミュニケーションの価値、そしてメイクの自分を物理的に着飾るだけでなく、内面をも元気にし、自分の想いや感情を応援してくれる存在であることを思いきって発信することで、KISSME、ひいてはメイク業界全体を少しでも元気にできればという想いを込めました」(吉川さん)。
表参道駅での展示は、12月13日まで。
スタッフリスト
共通
- 企画制作
- 電通+たき工房+SUNSHINE JAPAN
- CD
- 吉川隼太
- C
- 福岡万里子
- AD
- 案浦芙美、加藤愛香
- 企画+コミュニケーション・プランナー
- 秋山貴都
- コミュニケーション・プランナー+PRプランナー
- 用丸雅也
- CPR
- 鈴木夢乃
- BP
- 水村友一郎、富田愛子、大平江利子
- PRプランナー
- 濱村裕也、森本舞佳、石川友紀乃、上南東瑛
グラフィック
- D
- 三橋美樹、横山茜、小林香織
- 撮影
- 高橋マナミ
- HM
- 篠原奈緒子
- CAS
- 原木孝子
- レタッチ
- 佐野貴子
- フォトPR
- 工藤幸治
- CRD
- 川瀬美由
ムービー
- PR
- 柴原大樹
- AP
- 中野舞子
- PM
- 坂本優衣、土橋昂之助
- 演出+撮影
- 宮本正樹
- 撮影
- 勝野賢
- HM
- 山口恵理子
- 音楽コーディネーター
- 永山航、富樫祐輔
- 音楽
- 幾田りら『ヒカリ』