富士通は12月8日、リアル店舗のデジタル化加速に向けて、レジレスソリューションを提供する米スタートアップVcognition Technologies(Zippin)との総合代理店契約を締結したと発表。両社が持つテクノロジーを融合させ、店舗のDXを支援する。販売は2021年3月予定。
協業による新たな購買体験は、➀店舗のゲートにアプリを立ち上げたスマホ画面か、手のひらをかざす ②商品を手に取る ③退店する(自動決済)という3ステップ。ゲートでは富士通の手のひら静脈認証と顔認証技術を、店内ではZippinのレジレスソリューションである天井に設置したカメラと重量センサーを活用する。
富士通リテールビジネス本部の石川裕美氏(DXビジネス事業部 シニアディレクター)によると、ターゲットは小売店の利用者と事業者。利用者側はレジ待ちの時間や人との接触などを削減でき、事業者側は人件費や設備コストの削減などにつなげることができるという。
特に想定しているのは、狭小スペースや小商圏ストア(マイクロマーケット)での展開だ。「工場・配送センター・コールセンターなどで、働く方々の休憩時間をサポートするような店舗への導入も可能です。駅ナカ、高層マンション、医療施設、過疎地域などでのニーズもあると感じています」と石川氏。
今回の協業において、同社が注力するのは以下の3点。➀消費者に“レジレス”や“キャッシュレス”を基軸とした斬新な購買体験を提供すること ②マイクロマーケットという新しいビジネス領域を確立すること ③コロナ禍で人との接触に不安を抱える人に最先端のICTで寄り添うこと。2023年までに100店舗での展開を目指す。