みんな、おさむさんの手のひらの上で転がされていた
鈴木:1話を放送して、画づくりもわざとそういうふうにしていたんですけど、結構ネットでザワついたんですよね。「これ、わざとやってんの?」とか。いろんな反響があったんですけど、翌週に伊集院光さんがラジオで30分ぐらいしゃべってくれたんですよ。その時いいことを言ってくれたんですよね。「出演者が、この作品とソーシャルディスタンスを取っている」みたいな(笑)。
一同:(爆笑)。
鈴木:すごくいい“ディスり”をしてくれたんですよね。たぶんそれでいい意味で炎上して、2話目に水野美紀さんに出てもらうことになっていたんで、2話まで見たらより見方がはっきりするようにはつくっていたんですよね。
権八:なるほど。
鈴木:1話で「これどっち?」と思わせて、2話を見たら、「あ!そういうことか」。3話を見たら「そうなのか!」っていうふうな感じにつくっていたんで。そういう流れにできたのは、すごくよかったなあとは思いましたね。
権八:すごいなあ!なんかもう、みんなおさむさんの手のひらで転がされていたっていう(笑)。
鈴木:いやいやいや(笑)。
中村:本当ですよねー。
権八:すごいわ、今の話。
鈴木:しかも今回ステイホームで在宅率が上がって、他のドラマがけっこう休止した中で、うちは3話までは放送できた。
そしてもうひとつ思い切れたのが、伊集院さんがラジオで話してくれた後に一回撮影が止まって、3話で休止するという話になったんですよね。そこで、プロデューサーと話して、思い切って副音声をしようっていうことになって、1話を同じ時間で再放送して。あれだけディスっていた伊集院さんと、あと、古市(憲寿)くんがエイベックス愛が強いって知っていたので古市くんに副音声をお願いしようということになりました。
権八:そうなんだ。
鈴木:そうなんですよ。めちゃくちゃエイベックス愛が強くて。それで2人に副音声をやってくれってオファーをしたんです。伊集院さんは、テレ朝から連絡がきたので「怒られる!」と思ったらしいんですけど(笑)。
一同:(爆笑)。
鈴木:その副音声がまたけっこう跳ねたんですよね、ネット上で。そして、放送が再開した時に第3話をもう一回流そうということになったんで、伊集院さん、古市くんと今度はナイツの塙くんも加えてやってもらいました。
一同:(爆笑)。
鈴木:もう一回やったんですけど、今度はなんとドラマを流している画面に副音声の人の顔を入れちゃったんですよ。実況みたいな感じで。
中村:えー!
権八:ワイプで!?
鈴木:ワイプで入れちゃったんですよ。つまりドラマのふりしたバラエティーになっているんですけど。それをやったことによって、またそれが新しいじゃないですか。
中村:新しい。
鈴木:普段だったら絶対こんなことをやらせてくれないんですけど、コロナで撮影ができないっていうことがあったんで、逆にそれを逆手にとって。そのノリをやったことによってなんか逆に新しいものになったなっていう。
権八:ヤバい、それ!視聴者の方からしてもかなり斬新だしね。
中村:いや斬新ですよね。
権八:面白いなあー。
〈後編につづく〉