【トップ対談】電通九州×九州博報堂 2021年の広告コミュニケーションはどう変わる?

広告業界を、声をかけたくなるような魅力的な業界に

—九州博報堂は、2020年4月1日に「博報堂九州支社」と「西広」の事業統合で誕生しました。この日の西日本新聞の全面広告「大事なことは、頭に持ってくる。だから『九州』博報堂。」は、あからさまに電通九州を意識した広告だと話題になりましたね。

江﨑:これは、本当に仲が悪かったらできない広告です。九州の広告会社が新聞紙面を使ってやりあっているのを見て、「広告業界って面白いね」「プロジェクトの座組に広告会社を入れたら一発面白いクリエイティブで何かやってくれるかも、道筋を示してくれるかも」と企業の方々はじめ多くの方々に期待してもらえたら嬉しいです。

鈴木:あの広告を見た時、「この手があったか!」と思いました(笑)。江﨑さんのおっしゃるとおり、広告業界って面白いから何かの時に声をかけてみようという風にならなければいけないと強く感じています。我々の競争相手は、これまでは広告業界の中だけでしたが、今は商社やコンサルティング会社など、いろいろな方々が参入しています。広告業界に声をかけたくなるような魅力ある業界にしていくことが、これから本当に大事になると思っています。

鈴木亨(すずき・とおる)
明治大学経営学部卒業後、1985年電通入社。2018年第16ビジネスプロデュース局長などを経て、2019年1月に電通九州取締役就任。同年3月から現職。趣味はジョギング・テニス・ゴルフ。

「ポテンシャル発見業」として、九州の魅力を輝かせる

—最後に、今後の九州の広告業界について展望をお聞かせください。

江﨑:九州博報堂の今年は、異なる文化や歴史を持つ西広と博報堂がワンチームとなり、九州一円に存在するネットワークを活用して地力をつけていくことを目指す1年になりそうです。

鈴木:電通は2020年に「電通グル-プ」となり、グループ各社がそれぞれの個性を統合したソリューションをお客さまに提供できるようになりました。テクノロジーによって時間や距離の制約がなくなり、九州のクライアントさんの課題に北海道のメンバーがチームに参加して課題を解決する事例なども出てきました。

今後は国内に限らず、世界の電通グループも含め、総合力を活用して課題を解決していくような時代になっていくでしょう。

江﨑:九州博報堂の企業パーパスは「地域の情熱たちと、未来をつくる。」です。ポイントは、「九州の情熱たち」ではなく「地域の情熱たち」としたところです。鈴木社長のおっしゃるとおり、九州域内や広告業界に閉じる必要はまったくありません。企業の方、メディアのみなさん、大学、職人、スタートアップ……、いろんな人たちと一緒になって未来をつくっていこうと思っています。

九州は宝の山です。各県にいろいろな魅力があります。それに光をあて、ひと工夫して価値化して、全国、全世界に発信していきたいと思っています。

鈴木:スポットの当て方ひとつで、モノの魅力を大きく輝かせることができますからね。我々の生業は、商品やサービス、地域自体のポテンシャルを発見する、”ポテンシャル発見業”だと思っています。江﨑さんと一緒に九州をくまなく走り回り、いろんなポテンシャルを発見したいと思っています。

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