新規客獲得や顧客ロイヤリティの向上、さらには社内コミュニケーションに至るまで幅広く使われている「デジコ」は、ギフトコードが1円単位で発行できる汎用性の高いデジタルギフトだ。
普及進むデジタルギフト
サービスリニューアルの発表時、コロナウイルス感染拡大とタイミングが重なった。店頭でノベルティを手渡しすることに抵抗をおぼえる企業からの問い合わせが相次ぎ、半年間で約200件の契約数が積み増しに。業種もウェブサービス、ゲーム、教育、クレジットカード、保険、人材、不動産、金融、就職セミナーなど幅広く、サービスの汎用性の高さを裏付けている。
前身の「ギフピー」が生まれた2013年当時は、デジタルギフトという概念が広まっておらず、図書券やビール券などの金券や磁気カードが選ばれる傾向にあった。ここ数年で電子マネーが浸透し、「スマホ決済」が普及することで、風向きは大きく変わったという。
「以前からの当社の主力であるポイント交換サービス『PeX(ペックス)』を軸に、ポイントサイトやアンケートモニターサイトなどのノウハウを活かして、クライアントが抱えるマーケティング課題を解決する新サービスを打ち出しました」と振り返るのは、VOYAGE MARKETINGデジタルギフト事業本部 本部長の渡辺亮介氏。世の中がパソコンからスマホへシフトしている状況を踏まえ、リニューアルにあたっては新規登録なしで使えるなどユーザービリティーを重視した。
ギフトの交換先は6000以上
「デジコ」の特長は大きく3つある(図)。ひとつ目は交換先が豊富であること。Amazonギフト券やiTuneギフトなどポイント交換だけで14種、トータルで交換できる商品・ポイントは6000以上に及ぶ。これは「PeX」事業で培ったネットワークの賜物であり、同種のサービスにとっての参入障壁にもなっている。
2つ目は、最短2営業日で導入できるという手軽さだ。専用フォームから会社名や予算を記入するだけで申し込みは完了。押印を伴う契約書のやりとりはなく、簡単な審査を経て管理画面アカウントが発行されれば、あとはCSV形式で「デジコ」のギフトコード(URL)が納品される。デジタルデータなので在庫管理やギフト郵送のコストも不要だ。競合サービスでは、管理画面の開設までに1週間、キャンペーンに利用できるまで1カ月程度かかるケースも少なくないというが、「当社はAmazonやAppleからクリエイティブチェックを委託されているため、審査が自社内でできてしまうところに優位性があります」(渡辺氏)。
3つ目の特長は、使った分だけ後払いが可能なこと。前払いが基本である金券類を使うときに比べてキャッシュフローの改善につながる。また1円券×1枚から発券できるので、例えば「SNSで1クリックにつき1円」といったキャンペーンにも対応できる。受け取ったユーザーも、例えばゲームにiTunesで500円、買い物にAmazonに500円と1 円単位で複数の交換先に振り分けられるという使い勝手の良さがポイントだ。
「従来のギフトサービスは、カフェでコーヒーがもらえる、コンビニでアイスクリームがもらえるなどモノに交換できるものや、レストランで食事ができるといったリアルで使えるものが大勢を占めていました。一方、当社は『PeX』をトリガーにポジションを獲っていった結果として、金券や商品券をURLベースのデジタルギフトへとDXし、ニューノーマルに適したサービスを提供できていると思います」(同)。
簡単なフローで利用可能
「デジコ」の利用シーンは、通信教育の入会キャンペーン、コンタクト関連製品の購入キャンペーン、モデルルームや自動車試乗会の来場者へのお礼、ウェビナー参加者へのアンケート回答返礼など実に多彩だ。一度導入すれば発注後およそ2時間で発券できるので、急なイベント開催に対応すべく短期間のうちに何度もリピートする企業も増えている。
「株主優待として受け取ったユーザー様がSNSに写真付きで『これは便利』と情報拡散されたり、ご担当者自身がユーザーとして『デジコ』を受け取って良かったから自社で使いたいと言ってくださったりと、デジタルインセンティブへの抵抗が低くなってきたことを実感しています」。
デジタルに慣れておらず、操作や利活用に不安がある企業にも試してもらおうと、2020年10月から導入初期費用10万円を撤廃。これによって、導入費・管理費0円と初期コストの負担がなくなり、利用実績に応じた、デジコ発行総額(額面×枚数)+デジコ発券手数料(デジコ発券総額×10%)の支払いだけで済むようになった。いつか使うときのために前もって導入しておくケースも珍しくない。
「プロモーション用コードもお配りできますので、試してからご契約いただくと安心かもしれません。とはいえ、トップ画面を立ち上げて、利用開始日、金額、数量などを打ち込むだけで発注手続きは終わり。2時間程度でURLをユーザー様にお伝えできる状態になる本当に簡単なフローです。同じシステムから利用状況の閲覧や請求書の発行もでき、シームレスで手離れが良いシステムだと自負しています」。
2020年からは人的リソースを投入し、ここ数年で急増したキャッシュレスサービス・キャンペーンシステムとの連携の強化を進めている。大手キャッシュレスサービスやペイメントサービスと比べて、“第三者的”立ち位置だからこそ可能な網羅性の高さを生かし、将来的には給与支払いや個人送金などにも対応していく計画だ。
「手間や時間をかけず、場所や相手を選ばず、自由にデジタルギフトを受け取り使うことができるカルチャーを、『デジコ』と一緒に実現していきたいですね」。
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株式会社VOYAGE MARKETING
デジタルギフト事業本部
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