大林組は2021年1月1日より、新テレビCM「つくるを拓く」篇のオンエアを開始、特設サイトを公開した。
加速度的に変化し、複雑さを増すこの時代に、これまで培ってきた「ものづくり」の強みを活かしながら、従来の建設業の枠を超えてゆく。そんな意志を込めて、同社は2020年末に新たなブランドビジョン「つくるを拓くMAKE BEYOND」を策定。本作は、その思想を表明した企業CMだ。
「大林組はいわゆるゼネコンと言われる建築や土木の会社なのですが、宇宙まで行けるエレベーターを本気で考えていたり、都市における野菜栽培の研究をしていたり、アワビの養殖といった建設とはまるで関係なさそうなことまで実に幅広い「ものづくり」をしていて、建設の枠を楽々と超えている、とても自由で面白い会社でした。この意外な驚きをなんとかテーマにしてスローガンを作り、コミュニケーションをしていきたいと考えました」と話すのは、電通クリエーティブディレクター 奥野圭亮さん。
このビジョンの策定にともない開始した新企業広告のイメージキャラクターに、俳優の佐藤健さんを起用した。今回のテレビCMで佐藤さんが演じたのは、数百万年前の原始時代に突如姿を現した「謎の人物」だ。
ストーリーの要となるのは、人類のものづくりの起源だという説のある、落雷によって生まれた「火」。このテレビCMでは初めて「火」に遭遇した原始人と佐藤健さんが演じる謎の人物とのやり取りを通じて、困難や恐怖を乗り越えて「拓く」ことこそがものづくりの起点であり、人類の発展につながることを訴求している。
「つくることはいつだって、常識や困難を超え、次の幸せを叶えることの連続である。そしてそれは、人類の起源から変わることのない歴史の事実だと思います。CMのモチーフは、人類のものづくりのルーツとしての“火”。ものづくりの始まりから未来までを壮大に描きながら、つくることそのものもつくり変えゆく。そんな、人類の普遍的な「BEYOND」の姿勢を表現しました」(電通コピーライター/CMプランナー 小川祐人さん)。
見どころは燃え盛る火を始めとする壮大なロケーション設定はもちろん、原始人のCGカットだ。「制作するにあたり、“つくることを超えていく”という、自らCMをつくるにあたってハードルを上げてしまったため、そのハードルを超えられる世界中の作り手たちと制作しました。やっぱり“つくる”ってハードルが高いほど面白い」(奥野さん)と考え、世界的なCGプロダクションAlt.VFXと制作。
本テレビCMに登場する原始人の造形は、現場で撮影した役者の動きをベースとしながら、ゼロから描き起こしたという。さらに人類学の有識者による監修も受けながら、細かな表情、毛並み、挙動、その一つ一つにこだわり、原始時代の空気を再現している。
「2021年のスタートは、人類がかつて経験したことのない不安や苛立ちにあふれている状況を予想していました。そんな中で立ち上がるコミュニケーションとして、人々に希望や勇気を持ってもらえるものが作りたかった。かつて、人類がものづくりを拡張し続けたことで希望を見出し、乗り越え、現代の世界を作ってきたように。コロナという困難を乗り越え、以前よりも、いつの時代よりも、より素敵な世界を人類みんなでつくっていけることを信じています」(奥野さん)。
1月1日には30段の新聞広告を出稿し、東京・渋谷、新宿、品川などでOOHも展開している。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通+エンジンフィルム+電通クリエーティブX
共通
- 企画制作
- 電通
- ECD
- 藤田貴久
- CD
- 奥野圭亮
- C+企画
- 小川祐人
- 企画
- 関遼、仲澤南
- AD
- 瀧澤章太郎
- PRプランナー
- 山下学、根本陽平、森嵜渓登
- CPr
- 名取康文
- AE
- 宮崎裕之、阿部祐介、松林洋輝、瀬川茜
テレビCM
- 企画制作
- 電通+エンジンフィルム
- Pr
- 岡島淳、藤本修平
- PM
- 臼井明里、土橋昴之助、ラビンコタリア
- Dir
- 井口弘一
- 撮影
- 内田将二
- 照明
- 米井章文
- 美術
- 山村一智
- 特殊メイク
- 小松義夫
- HM
- 古久保英人
- ST
- 中兼英朗、大橋涼
- EDIT
- 平澤優(オフライン)、坂巻亜樹夫(オンライン)
- 音楽
- 冨永恵介
- CG
- 高田健
- CAS
- 村瀬耕平
- 原始人監修
- 馬場悠男
グラフィック
- 企画制作
- 電通+電通クリエーティブX
- D
- 浅岡敬太
- レタッチ
- 原島良輔
- Pr
- 川瀬理絵
- PM
- 本橋美南海
- P
- 興村憲彦