【関連記事】「【独自調査】緊急事態宣言下ではテレワークが約9割!広告会社の働き方」はこちら
「AdverTimes.」編集部は1月6~7日、首都圏の広告会社で働く109人に緊急事態宣言下の働き方について緊急調査。本稿では、その中から「コロナ下の働き方における課題」と「コロナ前よりも改善されたと感じる点」についての回答を紹介する。テレワークにおける課題が見えた一方で、働き方が多様化したことへの前向きな意見も多数あった。
テレワークで社内コミュニケーションに課題
「コロナ下の働き方における課題は?」の回答には、「社内外とのコミュニケーションの難しさ」を挙げる人が多かった。テレワークの影響で、特に社内のコミュニケーションに課題を感じている人が多いとみられ、「同僚との雑談の時間がとれない」「大人数でアイデアを出す場がない」といった声もあった。また、コミュニケーション不足から部下の育成やマネジメントが難しくなったという意見も。
また、業務における課題は、「撮影やイベントが中止になる」などの制約や、「広告表現を気にするあまり広告メッセージを慎重に検討しすぎる」などといったコロナ下ならではの悩みも見られた。
設問「コロナ下の働き方における課題」に対する回答(重複するものは割愛)は以下の通り。
■コミュニケーション
<社外>
・クライアントとのコミュニケーション(多数)。
・クライアントの「コスト感覚」が分からない。
・クリエイティブなどの提案時の空気感のつかみにくさ。
<社内>
・社内コミュニケーション不足(多数)。
・同僚とのちょっとした雑談などの時間が取れない(多数)。
・年長者の社員とのコミュニケーションの取りにくさ。
・気軽に質問や確認ができない。1年目にはかなり厳しい状況だと感じている。仕事に対する孤独と不安の解消方法がない。
・みんなで考えて新しい価値を創造する場がない。
・アイデア会議の質の向上が課題。
・会議やMTGの時間を延長する機会が少なくなり、時間短縮にはなったが、議論の浅さや消化不良感が残ることも多い。
・新人や異動者へのオンボーディング。
・部下の管理。
■業務
・商談と案件の創出が困難。
・役割分担があいまいなタスクに関しては、拾える場合と拾えない場合がある。
・印刷物の確認作業が画面上では不安がある。
・対消費者はもちろん、社員やステークホルダーへの目線をより大切にするようになった。それ自体は問題ないのだが、時に広告メッセージを慎重に検討しすぎることがある。
・このご時世で大人数が集まった撮影やイベントができないなど、制約が増えた。
・テレワークの際、広告物のデータサイズが大きいため、会社サーバーからデータを移動したり、送付したりするのが時間のロスになっている。
■執務環境
・通信速度(会社支給スマホテザリング)、椅子(オフィス用ではないことから腰痛発症)、モニター(小さい、粗い)、プリンターがない、郵便物・荷物の受取ができない。
・テレワークをする環境が自宅に整っていない。
・社員間でIT関連のリテラシーギャップがある。
・オンライン会議のサービスが多く、どれが最適なのか分かりにくい。
■社内の対応に関する課題
・緊急事態宣言レベルにならないとテレワークが導入されない。
・出社する理由や動機付けが必要。
・上層部が、出社した方が成果が上がると思っている。
・社員を信用しない上層部から出社を強要される。
・経営は「リモートワークで新しいワークスタイル」と言っていても、現場の幹部クラスは毎日出社し、それを見ている出世欲のある若手も自ら毎日出社している。
・車やバイク・自転車などの密にならない通勤を許可してほしい。
・いまだテレワーク=サボりと思っている上司を何とかしたい。
・残業が認められず収入が激減し生活が苦しい。
・出社、テレワークの比率など、自己判断で任せてもらいたい。
■その他
・常に自宅に“職場”があるので無限に働いてしまう。
・気の緩み(業務が多忙でもなく逆に暇なのに変わらぬ給料がもらえる)。
・自身のモチベーション維持が難しく感じる。
・クライアント企業の働き方に左右されるところが大きい。