8名のマーケターが語る、コミュニケーション戦略の歴史と進化〜「手書きの戦略論 特別講座」講師座談会

ベテランにも役立つ!「行き詰まり」突破のヒントをくれる講座

—この講座を、皆さんならどんな方に勧めますか?

佐藤:これまでも話に出ていますが、若い人に先人の知見を知ってもらうのが1つ。もう1つは、40歳くらいでキャリアに行き詰まったときに見るといいと思います。仕事のやり口を広げるヒントになるはずです。

木村:この本の核はコミュニケーション戦略ですが、その外側にはマーケティング戦略があり、さらに外には事業戦略、そのさらに外側には「課題解決」があります。僕は、何かしらの課題解決をするすべての人に役立つと思います。
なぜなら、この本の根本には、「デコン=現象から根本原理を抽出する」思想があるからです。社会課題の解決にも、政治や恋愛にも生かせる根本原理が結晶化していると思います。磯部さんが伝えたいのは、技術は時代によって変わるけど、技術の根本に流れるものを自分で考えることが大事ということ。「原理化」自体を自分で考えられるようになれば、強いですよ!

軽部:40代、50代の方が味わい深く聞けると僕も思います。自分なりに原理を考えようと思わせられるから。

宮腰:僕なら「作業屋さんで終わりになりたくない人、必読!」とキャッチをつけますね。広告マーケの世界以外にも、そういう人、たくさんいますよね。考える商売、自分で考えて生きていきたい人すべてがターゲットだと思いますよ。

須田:YouTuberみたいに自営業的にネット社会で生業を立てていきたい人、自分を自分でブランディングする必要がある人にも生かせると思いますよ。そこで行き詰ったときにどう振舞ったらいいか、と歴史も踏まえて書かれているので。

佐藤:そうだ!この本の実践編として続編をつくって、「YouTuberならこう生かす」「○○ならこう生かす」というコンテンツを展開していくのはどう?

木村:面白いですね!磯部さん自身が、ストプラ(戦略プランナー)としてキャリアをスタートして、コピーライターに転局したり、いつか大学で教えてみたいと思っていた人です。でもそれは目先が次々変わるということじゃないんですね。ゼロからのスタートではなく、そこで得た技術の中から根本原理を引き出して、次のキャリアに転用して、進化させてきた。彼自身の生き方とも重なるよね。

菅:僕は、この講座を個人ではなくチームで受けるといいと思います。チーム内で共通の概念で議論できるようになるはずですから。概念化した議論ができるようになると、仕事が面白くなっていくはずです。

軽部:共感です。まさに僕も今、みなさんの話を聞きながらたくさんメモを取っていますが、チームで講義を受けて、その後今日のこの座談会のように、話し合いの場を設けるといいですよね。チームで共通のメタ認知が作られていくはずです。

木村:いいですね。普段違う環境にいる者同士でやると、さらに盛り上がると思います。最近ワーケーションが広まる中で、違う場所に普段いる者同士が集まって話したほうがいくつものPoint of Viewが入って話が広がることを実感しています。同じものを違うアングルから見て、ブランド論から言うとこう解釈できるとか、チームで考えを共有すること自体にとても価値があると思いますよ。

須田:なるほど、それならシェアオフィスなどで違う会社の人同士が集まって見て議論するのも面白そうですね!

—たくさんのアイデア、ありがとうございました。様々な方に役立てていただける講座になればと思っています。

<受講受付中!>
7つのコミュニケーション戦略を統合し人を動かす
『手書きの戦略論』特別講座

 

◎基礎から最新まで、戦略論が丸わかり。ヒット書籍『手書きの戦略論』の内容を講座化。
◎9名の豪華講師陣が、独自の解釈を交え、各コミュニケーション戦略論を最新版にアップデート!
◎1か月間、いつでもどこでも視聴し学習できる。在宅にも対応したオンデマンド型で提供。

 
受講対象
・ブランドマネージャー・広告宣伝担当者/広告会社のプランナー・ストラテジスト
→マーケティングコミュニケーションの全体像をあらためて確認し、担当業務の位置づけが認識できます。
→担当ブランドの課題解決へのヒントが得ることができます。
 
・CMO、役員、カテゴリマネジャーなどの意思決定層
→デジタルを含めたマーケティングコミュニケーション戦略全体を俯瞰できるようになります。
→マーケティング人材育成の指針を得られます。
 
・クリエイター
→クリエイティブを考える上で前提となるコミュニケーション戦略の基礎知識が身につきます。
→戦略領域全体を知ることで、活躍の領域を広げることができます。
 
・企業のデジタル戦略担当者、ネット広告会社
→コミュニケーション戦略におけるデジタル業務の位置づけがわかるようになります。
→デジタルの強みを生かした新提案へのヒントを得ることができます。
 

カリキュラム

詳細・お申し込みはこちらから

平塚元明氏
マーケティングプランナー

1989年博報堂入社。マーケティングプランナーとして、さまざまな業種の広告プランニングを担当。2003年博報堂退社。現在はフリーのプランナーとして、広告やウェブのプランニングを中心に活動中。主な著書に『図解でわかる インターネットマーケティング』(共著・日本能率協会マネジメントセンター)、『ポスト3.11のマーケティング』(共著・朝日新聞出版)などがある。

 

軽部 拓 氏
博報堂 ブランド・イノベーションデザイン局 ブランドイノベーションデザイン担当部長

大学在学中は日本でのブランド論の第一人者、片平秀貴教授に師事。博報堂入社後、マーケティング部に配属され、大手飲料メーカー、大手自動車メーカーを担当。著書に『あなたはクセで生きている(』文芸社)。ストラテジックプランニングディレクター兼博報堂大学ディレクターなどを務め現職。

 

柴田 要 氏
マーケマン マーケティングディレクター

1991年博報堂入社。2013年よりWHITE所属、2018年に現会社を設立。マーケティング、ブランディング、アカウントプランニングを専門領域として、企業のマーケティング戦略立案、広告開発、商品開発、ブランド戦略立案に従事。

 

木村 健太郎 氏
博報堂 グローバル統合ソリューション局長
博報堂ケトル 取締役/エグゼクティブクリエティブディレクター

1992年博報堂入社。ストラテジーからキャリアを始め、2000年ごろにアカウントプランニングに目覚め、クリエイティブ、デジタル、PRを越境し、2006年 博報堂ケトルを設立。2019年まで共同CEOを務める。2017年から博報堂の海外クリエイティブ統括を兼任し、2020年から博報堂インターナショナルチー フクリエイティブオフィサー。磯部光毅のトレーナーであり、共著に『ブレイクスルーひらめきはロジックから生まれる』(宣伝会議)がある。

 

宮腰 卓志 氏
博報堂DYメディアパートナーズ データドリブンビジネスセンター
戦略企画室/データサイエンス部部長
データサイエンティスト/チーフディレクター

2001年博報堂入社。20年間、ダイレクトマーケティングおよびWEBキャンペーンのPDCAを行い、効果検証にさまざまな統計解析手法・データサイエンスを応用。最近の10年間は、マーケティング/メディア効果を最大化することを目的としたデータサイエンスに基づくエグゼキューション開発に従事。現在はデータサイエンティストチームを率い、マーケティング×データサイエンス×エンジニアリングによるメディア/データアクティベーションをプランニングする。

 

菅恭一氏
ベストインクラスプロデューサーズ 代表取締役社長

1998年総合広告会社入社。2001年よりデジタルメディア領域に携わり、2004年に次世代型デジタルマーケティング組織を起案・発足。トリプルメディアにおけるコミュニケーションプランニングとデータドリブンなマーケティングマネジメントを、シームレスに提供する組織基盤を構築。国内外多数 の企業マーケティング活動の支援、コンサルティング業務を経験したのち、ベストインクラスプロデューサーズの創業に参画。

 

須田和博氏
博報堂 ブランド・イノベーションデザイン局/スダラボ代表 エグゼクティブ・ クリエイティブディレクター

1990年博報堂入社。AD、CMプラナーを経て、 インタラクティブ領域へ。2009年「ミクシィ年賀状」TIAAグランプリ。2014年 スダラボ発足、「ライスコード」でアドフェスト・グランプリ、カンヌ・ゴールドなど、国内外で60以上の広告賞を受賞。2016~17年 ACC賞インタラクティブ部門・審査委員長。2019年「MRミュージアム」日本イベント大賞グランプリ。著書に『使ってもらえる広告』(アスキー新書)がある。

 

佐藤達郎氏
コミュニケーション・ラボ代表
多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論/メディア論)

WOMJ(WOMマーケティング協議会)国際委員会担当理事、前理事長。広告学会 常任理事、デジタルシフト研究委員会委員長。2004年カンヌライオンズ審査員。浦和高校→一橋大学→ADK(アサツー ディ・ケイ)→(青学MBA)→博報堂DY→2011年より現職。著書に、『「これからの広告」の教科書』(かんき出版)、『教えて!カンヌ国際広告祭』(アスキー新書)、『自分を広告する技術』(講談社+α新書)、『人前であがらない37の話し方』(ダイヤモンド)など。

 

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