おじさんを転がすのが異常にうまい!話題の女流棋士、そのルーツとは?(ゲスト:山口恵梨子)【前編】

女性で棋士の試験を突破した人は、まだひとりもいない

中村:素人の質問ばかりで恐縮なんですけど、当然プロになるためのリーグ戦を勝ち残るというのは、やっぱり常人では考えられないほどハードルが高いものなんですか?

山口:そうですね。棋士と女流棋士というのがまず分かれていて、棋士になるための試験と女流棋士になるための試験が違うんですよ。

澤本中村:へえーー。

山口:棋士になるための試験が尋常じゃないぐらい難しくて、女性で棋士になるための試験を突破した人は、実はまだいないんです。

中村:ほう!

山口:女流棋士になるための試験を突破した人っていうのが女流棋士です。別なんですよねー。私は女流棋士になったのが、16歳なんですけれども、そこから自分が女流棋士として何をしたいかっていうのをすごく考えて。それも人によっていろいろなんですよ。私は将棋の普及活動をしたいなっていうふうに思っていました。将棋番組を自分が見ていた時に、こうなりたいというのがすごく明確にあって……。
普及活動をする上で、自分の言葉に説得力を持たせるために、女流棋界で一番を目指す勉強をするっていうのも同時並行にしなきゃいけないなと思って、今やっています。その他に女性として棋士を目指している方も多々います。棋士になるための試験は「奨励会」っていうところに入会しないといけないんですよ。

澤本中村:はいはい。

山口:なので女流棋士になって、その「奨励会」に入会して「三段リーグ」というものを突破する、っていうのが、プロ棋士になるための基本的な試験です。それに挑戦されている女性が今、奨励会の「三段リーグ」に2人いらっしゃいます。

中村:2人!

山口:前回の「三段リーグ」でかなり好成績を取られて、あと一歩で棋士の試験を突破できたんですけど、惜しくも順位差でなれなかったっていうのが2019年の話ですかね。

澤本:そうしたら四段になったら棋士ってことですか?

山口:そうですね、その四段っていうのもプロの段位なので。奨励会で、6級からスタートして、プロ四段っていうふうになるんですけど、だいたい奨励会の6級が、アマチュアの五段ぐらいのレベルかなって思います。女流棋士も今規定だとけっこう複雑なんですけど、だいたいアマチュアの五、六段と思っていいかなって思います。

澤本:はい。

山口:私自身がアマチュア四段になったのが、小学5年生ぐらいですかね。

中村:全然分からないですけど、アマチュア四段ってたぶん普通のおじさんは絶対に勝てないレベルなんでしょうね。

澤本:(笑)。

山口:ですねー。女流棋士になった時点では、普通の道場のおじさんにはほぼ負けない感じかなって思います。

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