将棋の勉強は、学校の勉強にも活きる!?教科書は画像で記憶する
澤本:将棋って、先をすごく読むじゃないですか。例えば日常で、「この人この先何するだろうな?」とか考えたりすることありますか?
山口:いやあ、どうですかね。そういうのはあんまり普通の人と変わらないかなと思います。ただ自分の生活に活きたこととしては、将棋の勉強の仕方って学校の勉強にも活きるんですよ!
澤本:へえーー。
山口:あと将棋以外のゲームのお仕事もたまにいただいたりするんですけど、どの棋士、女流棋士でもゲームがうまくなるのが異常に早いんです。それってなんでかなぁって考えた時に、将棋の勉強の仕方や強くなる方法を体で得ているので、ゲームに応用するだけだからだと思うんです。
澤本:え!?学校の勉強ができるようになる将棋の指し方って、どういう
ことなのかな?
山口:先ほど申し上げた、自分の負けた原因を反省して、ダメだったところを分析することだったり、人と競い合うことの楽しさを見出すことだったり。だから学校の模試がすごい楽しくなるんですよ。
澤本:なるほど。
山口:ただ記憶するっていうことに関しては、人それぞれかもしれないですけど、私の場合は見て覚えることが多くなりました。学校の勉強でも。
澤本:見て覚えるってどういうことですか?
山口:右脳系なのかなって思います。将棋の盤面を記憶する時にけっこう絵で覚えるんですよ。
澤本:写真みたいな?
山口:そうです。そういう感じで覚えるので、それが日本史とか、世界史とかを覚える時も、参考書の絵面そのままで覚えるみたいな感じで覚えます。
澤本&中村:はあーー。
山口:それも将棋の影響なのかなと思っています。
澤本:小・中学校、高校含めて、得意教科ってなんだったんですか?
山口:私の場合は国語でした。
澤本:国語って文章を読むじゃないですか。でも画面的に捉えて?バシャバシャやっている感じですか?
山口:文章問題があるじゃないですか。あれが将棋と同じだと思っていて。
中村:あーーー!分かる!
山口:うれしい!!分かってもらえた。
中村:今、小学校の子どもの採点もしているんですけど、文章問題の答えが、無理矢理1個にならなければならないように仕組んでいるじゃないですか。
澤本:うんうん。
中村:だから答えの中にかなりヒントがあって、そこと問題を照らし合わせていくと、理詰めで答えが見つかるっていう。
山口:そう!それなんですよ(笑)。
澤本:(笑)。
山口:ほんとにそれなんですよ(笑)。私はすごくそれが得意でした。でも棋士によって将棋が何に似ているか捉える部分が違っていて。だから得意教科が体育の人もいるんですよ。
中村:へえーー。
山口:いっぱい指して指して、良い手を体に沁みつけて、考えなくてもいい手を指すようにする、みたいなタイプがたぶん体育系で。でも理系の人もいて。
澤本:うんうん。
山口:将棋って攻めを突破するためには、ひとつのマス目に自分が3枚きいていて、相手が2枚きいているから突破できるみたいな。数の計算をバーってやる感じの部分もあるので……そういうのを重視している人は数学が得意だったりします。
澤本:へえーー。
<後編につづく>