顧客がサービスを利用する理由は何? データで読み解き、マーケティングに活用する

コロナ禍によって生活者の環境が激変した今、社会的コンテキスト(文脈)を考慮していないマーケティングは生活者に受け入れられない。データから生活者の文脈や背景を読み取り、マーケティングにどのように活用していくべきなのか。
AIモデルの開発・運用支援などデータ分析に関わるサービスを提供するDATUM STUDIOの市川氏とブランドマーケティングのプランニングと実行を手掛けるFICCの稲葉氏が登壇し、パネルディスカッションを行った。
(左から)DATUM STUDIO(Supershipグループ)マーケティング戦略部 部長 市川真樹氏、エフアイシーシー /FICC inc. メディア・プロモーション事業部 事業部長 稲葉優一郎氏。

市川氏は「データマーケティングとは、商品・サービスを利用している消費者一人ひとりに寄り添い、サポートするもの」と話す。顧客がなぜ、その商品やサービスを利用しているのか(雇用理由)に着目し、実際に使っている人たちのデータを収集・分析する。

「デジタルマーケティングを成功させるためには、商品やサービスを使う“理由”をしっかり見つけることが重要です。ロイヤル顧客になる人とならない人の違いはどこにあるのか。顧客を取り巻く社会や環境における共通認識や状況(社会的コンテキスト)をデータで把握し、利活用できるかどうかが大切です」(市川氏)。

社会的コンテキストの変化によるブランド・サービスの雇用理由の変容

社会的コンテキストが変化する中で、消費者の中にどのような変化が生まれるのかを行動認知学から簡単に分析していくと、「動因」「欲求」「行動」という3つの段階に分けられると考えられ、その中でも一つ目の「動因」が、社会的コンテキストが変わることによって大きく変化する。

また稲葉氏は、顧客が商品を利用する理由を捉えることができれば、どのような状況でも最適化できると説明した。「新規顧客獲得の広告運用のためだけにデータを使うのではなく、利用者の『雇用理由』や実際の行動変化を捉えるために使う視点が重要です」(稲葉氏)。

最後に、市川氏は「『雇用理由』をしっかり捉えるために、まずは顧客との接点をしっかりデータとして取得・蓄積し、そこから仮説を立て分析する。それに基づいて顧客とのコミュニケーションを行い、さらにその状況がどう変化しているかを見ていく。状況の変化に対する顧客の変化をしっかり捉えることが重要」と述べ、講演を締めた。


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