生命力と時空をテーマに、瀧本幹也の写真展「AFTERIMAGE」が名古屋で開催

2020年10月に開業した、名古屋テレビ塔にある全15室だけのスモールラグジュアリーホテル「THE TOWER HOTEL NAGOYA」。そのギャラリースペース“on hold”とエントランスロビーにて、写真家・瀧本幹也の写真展「AFTERIMAGE」が始まった。

『FLEUR』より

『Multiple exposure』より

瀧本は、1974年愛知県生まれ。91年16歳で写真の世界に入る。92年上京しスタジオ勤務を経て、94年より藤井保氏に4年間師事。98年に23歳で独立し、瀧本幹也写真事務所を設立。以降、広告写真をはじめ、グラフィック、エディトリアル、自身の作品制作活動、コマーシャルフィルム、映画など幅広い分野の撮影を手がけている。12年からは映画の撮影にも取り組み、是枝裕和監督作品『そして父になる』『海街diary』『三度目の殺人』で撮影監督を務めている。

本展は、『Multiple exposure』と『FLEUR』という2つの新作シリーズによる特別展示。それぞれのシリーズについて、瀧本は次のように語っている。

車窓から眺める景色に、映り込みが重なって絶妙なバランスになる瞬間がある。

そんな偶然を見つけるのが好きだ。

それは一枚のガラスに、同じ時間が共存する面白さだろう。多重露光の『Multiple exposure』では、一枚のネガフイルムの中に、幾つかの違った時間が共存する面白さがある。写真の瞬間が重なり合い、そこに時間が「時空」として封印され、偶然性の美が露光された時、頭の中の想像を超えた景色が立ち上がった。
花の新作『FLEUR』では、これまで「花」を被写体とすることを敬遠してきたが、COVID-19が引き起こした世界の混乱の中、自生している花や植物の生命力の美しさ、儚さをとどめておきたいという強い衝動に駆られた。
連綿と続く生命の瞬間を「時空」として捉えたいという欲求の現れなのだろうか?

最近は、生命力と時空を感じるものに惹かれ、現実を冷静に見つめている。

美しい景色と出会い、眼を閉じると網膜に焼き付くその残像が好きだ。

ギャラリースペース“on hold”が入る「THE TOWER HOTEL NAGOYA」は「ART × CRAFT × LOCAL」をテーマに掲げ、客室には東海地方に縁のあるアーティスト・作家たちの作品が飾られている。名古屋城の近くで生まれ、16歳までを市内で過ごした縁から、瀧本の作品『SPACE #06•#03』2点が常設展示されている部屋もある。

本写真展に合わせて、京都市左京区妙満寺の住職でありながらピアニストでもある土持悠孝氏の音楽が流れる特設サイトもオープンしている。

瀧本の作品が展示されている部屋。

AFTERIMAGE 瀧本幹也写真展

日時:開催中、2月28日(日)まで。
時間:12:00〜17:00
会場:THE TOWER HOTEL NAGOYA 4F GALLERY SPACE “on hold”
住所:愛知県名古屋市中区錦3丁目6-15
入場無料・予約優先制

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