EC業界では、競合他社との差別化を図り、商品の売上を伸ばすためにデータ活用やデータマーケティングの重要性が高まり続けている。では、データマーケティングで成果を上げるにはどうすればいいのか。
データマーケティングにおけるソリューションを提供するフロムスクラッチの矢矧利太郎氏が登壇し、事例を紹介しながら講演を行った。
同社が提供するマーケティングツール「b→dash」は、アパレル、旅行業界、スポーツ業界、コマース企業などあらゆる業種業態450社に導入されている。特徴はノーコード。
データ活用の多くのツールは、データを加工したうえで取り込まないと使えないツールが多いが、b→dashは実際にコードを書かずともデータに取り込み、加工・抽出からデータ活用までワンプラットフォームで実現するクラウドシステムだ。
今回事例として紹介されたアパレル企業A社のb→dash導入前のF2転換率(初回購入者の2回目購入率)は27%。この数字はEC業界におけるF2転換率の平均値である34%を下回るもので、改善に向けて課題を抱えていた。
現状把握のためのレポート作成に必要なデータの整備に苦戦し、改善する上での前提となる課題の抽出や仮説の構築が満足にできていなかったのだ。
またレポート作成を外部に委託しており、費用もかかっていたという。
機能的な分析をできていなかったうえに、PDCAをスピード感をもって回せていなかったというのが、A社が抱えていた課題だったのだ。
そこでb→dashを導入。b→dashはノーコードでデータの統合や加工を行えるので、それまでSIerしか行えなかった作業が、ユーザーの好きなタイミングでできるという特長がある。レポート作成を企業のマーケターだけで完結できるので、自分たちが取り組みたい仮説のもとに分析を組み替えられ、分析の頻度も大幅に向上することができるという。
A社では、b→dashを利用し、アクセスログ・購買履歴・顧客情報に基づく分析をしながら改善点を把握。
それに合わせて施策を実行していくという基本的なプロセスを、着実にスピード感をもって、PDCAサイクルを回し、F2転換率を向上させていった。実際には「商品カテゴリー別のF2分析」「F2転換のタイミングを見る分析」「商品カテゴリー別買い回り分析」をA社で行い、それをもとにフロムスクラッチが施策を提案するような形だ。
このように分析と施策を繰り返すことによって当初、業界平均を下回る27%だったF2変換率が45%となり、1.7倍に引き上げることができた。1人当たりのLTVも1万3000円から1万5000円まで引き上げることができたという。
矢矧氏は「KPIを改善するためには、まずPDCAを回す頻度を上げないといけないが、エンジニアなど人的コストが負担になってしまうという懸念がある。A社はb→dash導入によって人的コストを引き下げたほか、テンプレートをうまく回しながらLTVやF2転換率の向上を実現することができた」と結んだ。
フロムスクラッチ
取締役COO
矢矧 利太郎 氏
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