中小企業の技術や素材などをテーマに、新規用途開発とビジネス全体のデザイン提案を募るコンペ「東京ビジネスデザインアワード」(東京都主催、日本デザイン振興会運営)の結果が2月10日、発表された。
第9回を迎える今回は170件の提案が全国のデザイナーから寄せられ、最優秀賞には井下恭介氏と増谷誠志郎氏(デザイナー/SANAGI design studio)による「オンデマンド印刷の新しいカタチ−視覚と触覚で楽しむプロダクト」として制作された「さかなかるた」が選出された。
優秀賞は2件で、清水覚氏(プランナー/オクノテ)の「東屋(azumaya)ビジネスデザインプロジェクト」、井下恭介氏と増谷誠志郎氏(デザイナー/SANAGI design studio)の「特殊ラベル印刷技術を用いた新しい遊び体験の提案」がそれぞれ選ばれた。
最優秀賞は、千葉印刷(渋谷区)による42億色を鮮やかに表現するオンデマンド印刷技術を用いて、メタリック印刷できらめきを表現した「さかなかるた」を制作した。リアルな魚のきらめきを表現し、大人も子どもも楽しめるコミュニケーションツールを目指している。
優秀賞の「東屋(azumaya)ビジネスデザインプロジェクト」は、東屋(墨田区)が持つ革製品製造技術を用いて、プロダクトの開発だけでなくマーケティング・ブランド観点の課題解決と、既存商品のリブランディングに取り組むという内容。
もう1件の優秀賞は日本ラベル(板橋区)が持つシール・ラベル印刷加工技術を用いて制作された、家の中で考古学者気分を味わえる「化石発見シール」。ブラックライトを当てて楽しむことができ、BtoCの製品としての展開やコラボ展開などを進めたい考えだ。